「石狩天然温泉」に香る海辺のバラ(北海道石狩市) – 温泉会議
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北の湯から南の湯から。日本全国の温泉を繋ぐ「湯戸端会議室」。温泉に浸って地元のレアな話が聞きたくなったら、この場所へお立ち寄りください。

「石狩天然温泉」に香る海辺のバラ(北海道石狩市)

フォトライター・通訳アテンダント

「はまなすの丘公園」-「石狩天然温泉」

市民から愛される「石狩天然温泉 番屋の湯」。近隣の街からも平日・休日にかかわらず多くの人が訪れます。その石狩天然温泉がある石狩市は、ハマナスで有名な街。石狩天然温泉にほど近い場所にあるのが「はまなすの丘公園」です。

石狩天然温泉「番屋の湯」

札幌の隣町、石狩市にある天然温泉「番屋の湯」。
札幌や小樽から数十分でアクセスできることもあり、近隣の街からのリピーターが多い人気の温泉です。

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源泉は地下数百メートルから汲み上げられる「化石海水」。
化石海水といえば、大昔の海の水が地層の隙間に溜まったものだそうですが、石狩天然温泉がある辺りの地形とも大きくかかわっていることが感じられるのが「はまなすの丘公園」です。

【石狩天然温泉 番屋の湯】
住所:北海道石狩市弁天町51-2
電話:0133-62-5000
入浴料:大人650円(2022年7月1日より750円)
URL:https://banya-no-yu.com/
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩泉・塩化物強塩泉
源泉温度:27.6℃ pH:8.2 湧出量:160ℓ/分
   

変化する砂嘴の「はまなすの丘公園」

「番屋の湯」から車で約5分、徒歩で約20分でアクセスできる原生花園「はまなすの丘公園」。

この辺りの地形は独特で、石狩川と日本海に挟まれた砂嘴(さし)に「番屋の湯」や「はまなすの丘公園」があります。
「番屋の湯」から砂嘴の先端へ向かっていくとたどり着くのが「はまなすの丘公園」です。

海からの風によって運ばれた砂が堆積してできた砂嘴、つまり風が強く吹き付ける場所としても知られています。
この砂嘴にできた”海岸草原”に群生するのがハマナスです。

そしてこのハマナスの風貌から海岸沿いの風の強さがわかります。というのも、あまりにも強い風や寒さから身を守るため、一帯のハマナスの多くが地面を覆うように生育しているのです。

「番屋の湯」辺りでも、ハマナスの開花時期にはバラの香り(ハマナスはバラの原種)が漂い、はまなすの丘公園へ向かう道すがら、道路脇にも地面にくっつくようにハマナスが咲いています。

海岸草原に立つ「石狩灯台」

はまなすの丘公園に立つ「石狩灯台」。

海岸草原にすっくと立つ姿に思わず、
「どうしてこんなところに灯台が?レプリカ?」
と思わず問いかけてしまいますが、本物です。

現在は石狩市のシンボル的存在の灯台は、1892年に開設。当時はここが河口近くだったそうです。
そして遥かに遡る7,000年前、この辺りや現在の札幌市・江別市の一部も海でした。

現在、この石狩灯台が立つ場所が水際から離れていること、さらに灯台を建てた年代を考えると、100年ほどで大きく水辺の位置が変化していることに驚き、これまでの地形の変化(=地球のエネルギー)を感じるとともに、化石海水の石狩温泉からの地球のエネルギーをより実感できる気がするのです。

北海道の花・石狩市の花、「ハマナス」の群生地

灯台を見て地球のエネルギーに思いをはせたのもつかの間、6月初旬から咲き始める石狩市のハマナスを前にすると、その香りと鮮やかなピンクに目も心も奪われます。

そして、とにかく風が強い!
おかげで、この日もハマナスの花は、強風に吹かれて全員違う方向を向いていました。

そんな自然環境から、前述のとおり、この辺りのハマナスはとても丈が低く、すくすく上に育ってのびのびと咲く札幌市内のハマナスとはまるで別の植物のようです。

環境に正直なハマナスたち。

そしてこれからの季節はハマナスの花と赤い実の両方を見ることができ、花は9月頃まで咲き続けます。すでに一部のハマナスには色づきはしていないものの実がなっていました。

この辺り一帯は石狩市が指定する海浜等保護地区の生態系保護地区のため、ハマナスの群生地に入ることや採取は禁止されていますが、木道が整備され、お花畑やその向こうに垣間見える海、6月中旬までは北と南に連なる冠雪の山並みを眺めながら、のんびりと散策ができます。

花々と野鳥たちの楽園

名前は「はまなすの丘公園」ですが、実は180種類もの植物が生育しています。

地味な海浜植物から鮮やかな花まで、5月のイソスミレやハマエンドウ、6月のハマナス、ハマヒルガオ、エゾスカシユリ、キショウブ、7月のノハナショウブなど、9月のサワギキョウやオグルマに至るたくさんの花を見ることができます。

そしておそらく「はまなすの丘公園」に到着するや否や聴こえてくるのがヒバリをはじめとする野鳥たちのさえずり。
小鳥のさえずりが聴こえると一気にのどかな気分になります。

特にヒバリは地面の茂みに巣を作っており、賑やかなさえずりが木道のすぐそばからも聴こえてくるのですが、決して巣をみつけることはできません。

また、ヒバリが茂みから飛び出してきては天高く舞い、そうかと思えば急降下。

ノビタキもよく見かけるほか、コヨシキリやノゴマ、オオジュリンなども草原のちょっとした枝にとまっては、ヒバリに負けじと鳴いています。

「ハマナスソフトクリーム」で温泉浴に備える

「はまなすの丘公園」の入り口にある「ヴィジターセンター」では、1年を通じて「ハマナスソフトクリーム」(300円)を販売しています。

ヴィジターセンターのオープンに合わせて開発したオリジナルのソフトクリームで、ハマナスのエキスと香料が入った”海のバラ”がほのかに香るピンク色のソフトクリーム。

北海道はソフトクリーム天国ですが、ほかでは見かけない”ハマナス”のソフトクリームは、味も香りもやわらかく喉を優しく潤してくれます。

ヴィジターセンター2階にはバルコニーにも出られる休憩室があり、海岸草原や日本海を眺めながら食べるソフトクリームは味も開放感も格別です。

ちなみに屋外で食べるときは要注意。強風にあおられ、ソフトクリームが飛びます。

お花畑を散策し、ハマナスソフトクリームに舌鼓を打つ。
そして石狩天然温泉を感じる。
ハマナスソフトクリームは、温泉浴に向けたエネルギー補給のための大切な儀式なのです。

【はまなすの丘公園】
住所:北海道石狩市浜町
入園料:無料
【はまなすの丘公園ヴィジターセンター】
住所:北海道石狩市浜町29-1
電話:0133-62-3450
開館時間:4/29~8/31 9:00~18:00 / 9/1~11/3 9:00~17:00
駐車場:30台(無料)
URL:https://www.city.ishikari.hokkaido.jp/site/sightseeing-guide/ (石狩市HP 観光ガイド)
市之宮直子
フォトライター・通訳アテンダント
札幌在住の道産子。道東でのサラリーマン記者生活で北海道の自然・文化の多様性を再発見。3,000件を超える人・企業の取材を経験するも、自然の魅力に抗えず、近年は温泉やグルメ等の取材にも手を染めています。
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