層雲峡温泉から足を延ばして「江丹別・Chirai」の極上フレンチランチ(北海道旭川市)
11月、紅葉が日本一早いことで知られる「大雪山国立公園」に位置する温泉郷「層雲峡温泉」で、晩秋の北海道を肌で感じる温泉ステイを満喫しました。その温泉ステイにより優雅な彩りを添えたのは、ドライブで足を延ばした旭川市の極上でカジュアルなフレンチです。
道央最大の温泉郷「層雲峡温泉」
北海道の中央に位置する旭川市の東、約65km(約1時間5分)、札幌からは約200km(約2時間40分)に位置する「層雲峡温泉」は、大雪山国立公園の雄大な峡谷にある温泉郷です。
宿泊施設の多さや壮大かつ美しい自然景観、そして町を上げて催される「層雲峡温泉 氷瀑まつり」などのイベントも人気があり、層雲峡温泉を知る人は少なくないと思います。
層雲峡温泉の泉質は、単純硫黄泉や単純硫黄泉・単純温泉・炭酸塩泉の混合泉、ナトリウム-炭酸水素塩泉など。
ほのかな硫黄が香る無色透明の温泉水は、つい長風呂になってしまう心地よさです。
9月に入ると徐々に紅葉が進む日本一紅葉が早いエリアに位置する層雲峡は、11月ともなると雪景色が見られるようになります。
“紅葉を眺めながら楽しむ湯浴みシーズン”の次は、”雪とともに露天風呂を満喫できるシーズン”が到来します。
寒風のなか、層雲峡温泉を露天風呂で楽しむ時間はいつにも増して”温泉”のありがたさを感じる格別な時間です。
層雲峡温泉から足を延ばして旭川市江丹別へ
今回、2泊3日で層雲峡温泉に滞在。
層雲峡温泉で行きたい飲食店はいくつもありますが、思い切って滞在2日目にドライブがてら旭川市江丹別(えたんべつ)へ。
層雲峡の温泉でリフレッシュするなら、札幌からはなかなか行けないお店、車を飛ばしてでも行きたいお店が江丹別にあるからです。
それがフレンチを提供している「Chirai」(チライ)です。
「Chirai」とは、アイヌ語で「イトウ」という意味。イトウは北海道にのみ生息し、”幻の魚”といわれています。
実は「Chirai」のオーナーシェフはイトウ釣りの名人で、イトウ釣りにぴったりの環境がある自然豊かな江丹別へ移住し、レストラン・カフェ「Chirai」をオープンしました。
地元食材がふんだんなChiraiのランチコース~「春楡」
それでは”Chiraiのランチメニュー”をご紹介します。
ランチタイムは、3種類のコースとワンプレーとランチ、Chirai特製カレーなどがあります。今回ご紹介するのは、ランチコース「春楡」(はるにれ)。
北海道の美味しさを代表するような美味しさを写真でご堪能ください。
最初のひと皿、”アミューズ”は、ハニーチーズトースト、鶏もも肉のバロティーヌ、スペイン産チョリソー。
なかでもハニーチーズトーストは、ここ、旭川市江丹別で作っている大人気の「江丹別の青いチーズ」を使っている一品。
単独でも美味しいブルーチーズとハチミツの絶妙なバランスは、ひと口食べた瞬間から、「来てよかった!」と思う味です。
最初のアミューズからこの美味しさで、この先どのような江丹別グルメなお料理が出てくるのか、期待いっぱい。
次に登場したのは、「本日の旬の前菜」。
アミューズから感激のひと皿でしたが、前菜は彩も美しい「余市産ヒラメのサラダ」。
プリプリの北海道余市産ヒラメとジューシーな野菜が散りばめられたみずみずしいサラダで、ソースのおいしさのほか、写真では隠れて見えませんが、スパイスが利いたポテトピュレもおいしさのアクセントになっています。
見ても食べても楽しめる前菜です。
この日のスープは旬のかぼちゃ。「かぼちゃのポタージュ」は、自然な甘みと風味がやさしい滋味深い味ですが、そこに浮かんでいるクルトンは、なんとチーズ。
しかもこのチーズは、江丹別特産「江丹別の青いチーズ」!
これでもか!というほど贅沢なサイズのチーズクルトンがやさしい味のかぼちゃポタージュに濃厚なアクセントをつけて、どちらも味を引き立て合っています。
贅沢過ぎるポタージュは、食べているそばから「また食べたい」と思うひと品。
ポタージュともいただきたい「ライ麦パン」は、Chiraiの敷地内にある人気ベーカリー「aman」のパン。
ライ麦パンのほろほろとした食感と素朴な味わいは、ポタージュにもぴったり。
ポタージュに浸していただきながら、最後は一滴も残さずライ麦パンでぬぐってポタージュを完食しました。
チーズクルトンを口にし、どうしても欲しくなったのはワインです。この日は運よく(?)ドライバーではなかったので、「Chiraiワイン」の赤(グラス600円)をいただきました。
カヴェルネソーヴィニヨンです。
もしドライバーだとしても、ソフトドリンクに、まるでワインのような「赤ブドウジュース」や「白ブドウジュース」(各400円)があり、コールドでもホットでもいただけるので、ワイン気分でこちらを楽しめます。
余談ですが、「レモネードソーダ」や「シソソーダ」など、自家製ソフトドリンクもあり、この自家製ドリンクがまたおいしくておすすめです。
そして訪れたメインの時間。
この日は「もち豚ロースト」です。
山椒や八角を利かせた中華風赤ワインのソースとやらわかいもち豚は、グリルした白菜や椎茸のフリットなど、たっぷりの野菜の付け合わせと一緒にいただきます。
ソースも野菜の甘みも口のなかでジュワっと広がり、もち豚の旨味も肉のやわらかさとともに口のなかで染みわたっていくようです。
デザートもまた、豪華な盛り合わせでした。
ジェラートは、江丹別の青いチーズを作るミルクと同じ伊勢ファームのミルクを使ったキャラメル風味のリンゴが入ったジェラート。
さらに”江丹別の青いチーズ”を使ったバスク風チーズケーキをフルーツとラズベリーカラメルソースとともにいただくという豪華なラインアップ。
のどかな江丹別で、繊細な味のフレンチを心行くまで堪能し、帰り道はおいしさの余韻に浸りながら、豊かな自然の景色で癒されて一路層雲峡温泉へ。
森を感じるChirai
自然環境豊かな道北の上川エリアに位置する層雲峡や旭川市江丹別ですが、Chiraiでは、そんな豊かな森を象徴するようなアイテムがお店のあちこちに見ることができます。
店内は、木のぬくもりを感じるウッディな素材にあふれ、なかでも象徴的なのは、江丹別産の白樺でできたカウンターです。
オープン時、地元の人をはじめ多くの人と一緒に江丹別の森から切り出した大きな白樺を使っているそう。
また、「Etanbetuワンプレートランチ」を彩り、バラエティに溢れる料理を演出しているのも白樺の幹。
自然の豊かさを料理を通じてはもちろん、お店全体から感じるのがChiraiです。
Chiraiでしっかりと心と体に栄養を行きわたらせ、層雲峡温泉のエネルギーたっぷりな湯あみに再び挑んだ層雲峡温泉ステイでした。