北海道積丹町発、忘れがたい”とろみ”の湯と、自然を味わうお土産。「岬の湯しゃこたん」 – 温泉会議
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北の湯から南の湯から。日本全国の温泉を繋ぐ「湯戸端会議室」。温泉に浸って地元のレアな話が聞きたくなったら、この場所へお立ち寄りください。

北海道積丹町発、忘れがたい”とろみ”の湯と、自然を味わうお土産。「岬の湯しゃこたん」

フォトライター・通訳アテンダント

北海道の西、自然豊かな積丹半島にある「岬の湯しゃこたん」は、景勝地として名高い神威岬にも近い天然温泉です。同時に絶景が見られる露天風呂で知られています。積丹の自然を文字通り肌で感じられる「岬の湯しゃこたん」をご紹介します。

「岬の湯しゃこたん」

北海道余市町で後志自動車道を降り、国道229線を進んで約45分、左手に見える「岬の湯しゃこたん」の看板が目印です。
国道をそのまま進んでいくと、20分ほどで神威岬に到着する位置にあります。

“絶景露天風呂”の評判を裏付けるかのように、看板から左折すると高台へと続く道路。

ほどなく到着した「岬の湯しゃこたん」は、入り口のポップな白い暖簾が風に翻って迎えてくれます。

写真の角度ではよく見えませんが、バス停「岬の湯しゃこたん」が建物の目の前にあり、札幌駅前ターミナルから中央バスの”高速しゃこたん号”を利用すれば(片道2,340円)、所要時間約3時間ながら「岬の湯しゃこたん」のエントランス前まで連れてきてくれます。

もちろん、レンタカーなど車でのアクセスは、より道もできるので便利です。駐車場も広いのでおすすめです。

建物に入ると、受付前の券売機でチケットを購入。
各種タオル(フェイスタオル250円、バスタオル500円、タオルセット700円、ロゴフェイスタオル300円)も、こちらで購入可。

明るいオレンジ色のテーマカラーに染め抜かれたロゴがポップな暖簾をくぐり、いざ、温泉へ(暖簾と同じデザインのロゴ入りフェイスタオル300円も販売しています)!

絶景だけじゃない!「肌にとろ~り」な温泉水

写真提供:岬の湯しゃこたん

露天風呂からの景色が人気の岬の湯しゃこたんですが、大きなガラス張りの窓がある内風呂からも海の色を感じられます。

岬の湯しゃこたんに訪れると、自然光が入る内風呂と目の前にある解放感ある露天風呂と、その奥に見える”シャコタンブルー”にワクワクします。

さらに私の場合は、岬の湯しゃこたんのお湯にさらに大きな驚きがあります。
それは、温泉の感触。

岬の湯しゃこたん
泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
源泉温度:約51.3℃
pH:7.5
 

いまだ初心者の域を出ていない温泉ファンですが、はっきりとわかるほどに”とろり”としています。
そんな”とろみ”の温泉水に感動しつつ内湯で癒されていると、絶景露天風呂の存在を忘れそうなほど。

写真提供:岬の湯しゃこたん

とはいえ、露天風呂のすばらしさは、これもまた格別です。
こちらが岬の湯しゃこたんのハイライト、露天風呂の絶景。
シャコタンブルーの海はもちろん、写真では見にくいかもしれませんが、左手奥の半島先端は、かの神威岬、そして岬のやや沖にそびえる神威岩まで一望できます。

そしてこれも写真ではわかりませんが、積丹特有の強風の中での湯浴みもまた、こちらの露天風呂の醍醐味(積丹町、特に神威岬の風の強さは有名です)。

風に吹かれながらとろりとした湯に浸かっていると、自然と「極楽、極楽」と、口からついて出そうになる心地よさ。
時間を忘れるとはこのことです。

ところが、このいつまでも入り続けたくなる心地よさは長湯になりがちなため、要注意ポイントでもあります。
そのため、写真に写っているベンチで適度に休憩をいれましょう。
“のんびり景色を楽しめる休憩”も岬の湯しゃこたんの魅力です。

写真提供:岬の湯しゃこたん

タイミングが合えば、夕刻には夕日の絶景も。

内風呂にはサウナ室もあり(水風呂もあり)、露天風呂のベンチで”ととのい”タイムも満喫できます。

積丹の自然(ボタニカル)から造る「積丹ジン」@岬の湯しゃこたんのショップ

積丹ジン「火の帆 KIBOU」

岬の湯しゃこたんでは、お土産を買ったり食事を楽しんだりもできます。

なかでもおすすめは、積丹ジン「火の帆」。
近年、全国的に注目されている”クラフトジン”ですが、積丹で造られているクラフトジンが「火の帆」です。

ジンは、風味付けのために針葉樹ジュニパーの実、”ジュニパーベリー”を使用した蒸留酒ですが、ジュニパーベリーを使用していれば、そのほかどのような植物素材”ボタニカル”を加えて作ってもジンとして認められるそう。

そこで、北海道産、積丹産のボタニカルを使い、蒸溜所「積丹スピリット」が初リリースしたクラフトジンが積丹ジン「火の帆」(ほのほ)です。

積丹ジンのボタニカル

蒸留酒のジンは、”火の酒”とも呼ばれそうですが、「積丹ジン」は、火山活動によって生まれ、今なお原生林が広がる”積丹半島”で育まれる”ボタニカル”を使ったジンをめざして生まれました。
そのためブランド名は「火の帆」と”火”がモチーフ。

2020年に初リリースした「火の帆 KIBOU」には、ジュニパーベリーのほか、ボタニカルとして北海道産、積丹産のアカエゾマツやキタコブシ、ホップ、エゾヤマモモ、エゾミカンを使用しています。

特に”北海道の木”、アカエゾマツや、春一番に山肌に真っ白な花を咲かせるキタコブシなど、道産子にとってはなじみ深いボタニカルが、積丹ジンを北海道と積丹の自然を感じるお酒にしています。

飲んでみて一番に感じたのは、北海道民ならどこかしらで香りを感じた経験があるエゾマツ(アカエゾマツ)でしょうか。

岬の湯しゃこたんのショップでは、ハンディサイズの積丹ジン(100ml)とトニックウォーターも販売しているので、北海道が香る「ジントニックセット」をお土産にできます。

    *  *  *  *  *

肌で積丹半島の大地や風のエネルギーを感じる「温泉」、体の内側で積丹の自然を感じる「積丹ジン」。
積丹の自然、北海道の力をめいっぱい感られる「岬の湯しゃこたん」です。

岬の湯しゃこたん
住所:北海道積丹郡積丹町大字野塚町212-1
TEL:0135-48-5355 営業時間:夏期(4月~10月)11:00~20:00
     冬期(11月~3月)11:30~18:00
定休日:夏期 水曜(7/20~8/20は無休)
    冬期 水・木曜
    ※夏期・冬期とも祝日の場合は営業
入浴料:大人900円
駐車場:無料(170台)
アクセス:札幌から車で札樽自動車道・後志自動車道を利用し約1時間45分
     小樽から車で道道697号、国道229号経由で約1時間15分
     バスで「札幌駅前ターミナル」乗車、「岬の湯しゃこたん停」(所要時間約3   時間)下車、徒歩1分
     バスで「小樽駅前停」乗車、「岬の湯しゃこたん停」(所要時間約1時間50分)
URL:https://shakotango.jp/
 
市之宮直子
フォトライター・通訳アテンダント
札幌在住の道産子。道東でのサラリーマン記者生活で北海道の自然・文化の多様性を再発見。3,000件を超える人・企業の取材を経験するも、自然の魅力に抗えず、近年は温泉やグルメ等の取材にも手を染めています。
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