選ばれし者しか辿りつけない由布院の極楽と地獄の温泉
入ればわかる極楽、極楽
選ばれし者しか、たどり着けないと噂されている「極楽温泉」。由布市挾間温泉(はさまおんせん)にある日帰り温泉施設で、この温泉地も国民保養温泉地「湯布院温泉郷」のひとつなんです。
なぜ、選ばれし者しかたどり着けないかというと、ナビを頼りに行った場合、最後に3本に分かれた道の曲がり角があり、そのひとつだけが極楽温泉へつながる山道なのですが、これが難しいのです。
うまく、たどり着けて、温泉に入れば「極楽、極楽」ということで、極楽温泉と名付けたそうです。
どんな隠れ湯なのか?!と思っていたら、立派な木造の建物です。キャッチフレーズは「入ればわかる極楽温泉」
たどり着いた人を温かく迎えてくれる極楽温泉。ふと、みつけたお願いごとの看板・・・。なぜか、ウインクしています。
まずは、大浴場へ。深めの湯船にたっぷり源泉かけ流し。新鮮さを感じる湯がとろりとした感触で気持ちいい。つるんつるんのアルカリ性単純温泉、pH8.9。肌の古い角質を落として、なめらかに整えるすべすべ美肌の湯。湯船のどこに入っても適温になるように、湯口からかけ流されるだけでなく、湯船の下の方からもどーっつと大量に源泉を注ぎ入れています。
掲示されていた「温泉分析表」。おもしろすぎて、幸せな笑顔になれます。
広くて贅沢な家族風呂が3つ。
お花見気分の内湯なら「高崎の湯」。露天風呂を楽しむなら「由布の湯」。
ロビーには、野菜や果物、パンとか日々の食料品が並び、安くておいしそう♪
果物を買ったら、受付のおかあさんが手作りのかき餅とお菓子をおすそ分けしてくれました。湯上りの休憩小屋でブレイク。
次は地獄の温泉です
湯布院温泉郷でもうひとつ湯めぐり。標高1045mの活火山「伽藍岳(がらんだけ)」の西側中腹の塚原地獄に噴出する源泉を使用した「塚原温泉 火口乃泉」。入浴する前には、いつも塚原地獄まで歩いて噴出する源泉にご挨拶。もうもうと噴気があがる光景は必見。こんなに近くで迫力の噴気孔が見られる場所は大変珍しいのです。地球のエネルギーをチャージしてから、いざ、温泉へ。
平安時代に開湯した塚原温泉は、古くから湯治の薬湯としても愛されてきました。泉質は、酸性・含鉄(Ⅱ、Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩泉。鉄分やアルミニウムなど鉱物成分が多く、pH1.9の強酸性で極楽温泉とは全く異なる泉質です。酸性の温泉は殺菌作用と肌の活性化作用が期待でき、豊富な鉄分で体の芯までしっかり温めて発汗を促し、代謝をサポートします。極楽温泉で癒されて、塚原地獄の温泉で活力を注入。
新鮮な源泉が注がれる湯船の温泉の色は緑色がかった透明。鉄分を多く含む温泉は、時間とともに空気に触れて赤く濁っていきますが、この緑色は新鮮さが際立つ塚原温泉ならではの色です。
一棟だけの離れ家族風呂もあります。
みんなで入れる贅沢な広さの内湯。ぬるめの湯とあつ湯に分かれています。
見つけたら「即買い」なのが塚原温泉のむし卵。もうもうと吹き上がる塚原火口の噴気で20時間蒸してつくる貴重な名物卵は、殻をむいてビックリ、白身が琥珀色に変化しているのです。わってみると中までしっかり琥珀色。麦焦がしのような芳ばしい香りと深みのある味わいがとても美味しい。温泉のミネラルもしっかり入っていて元気がでます。
湯上がりはオイシイ珈琲を
湯上がりに美味しい珈琲を味わいたいと、塚原エリアの「珈琲工房 木馬」へ。
ご夫婦で営む珈琲工房は、地元の人々に絶大な人気。オーナー焙煎士の小野悦典(よしのり)さんは、珈琲愛と探求心がすごい。奥さまのヤスコさんが作る自家製ケーキは、すぐに売り切れてしまうので、見つけたら絶対に注文する逸品です。
これこれ。このセットですよ。この日はリンゴのタルト。
色々なコーヒーがありますが、わたしは、下坂ブレンドがお気に入りです。