卵臭漂う温泉とオールインクルーシブが最高「亀の井ホテル 日光湯西川」
壇ノ浦の戦いに敗れた平家の落人が隠れ住んだと伝わる、栃木県日光市の秘境に湧く湯西川温泉。そこに2023年10月リブランドオープンした「亀の井ホテル 日光湯西川」があります。さらに2024年12月1日には、全国の亀の井ホテルで初のオールインクルーシブ形式に生まれ変わり、アルコールを含むドリンクやアクティビティがすべて無料で楽しめるように。なのに宿泊料金は比較的リーズナブル!
温泉通も大満足のかけ流しの大浴場をはじめ、どんな滞在が楽しめるかご案内します。
平家の里が目の前!陰影礼賛なロビーが迎える大人なホテル
平家落人が隠れ住み、その子孫が温泉を発見したと伝わる湯西川温泉。温泉街には今も末裔が営む宿が数軒あり、たき火をしない、鯉のぼりを上げない、ニワトリを飼わない、などの忍んで暮らした頃から伝えられる独自の風習が残ります。
その湯西川温泉の温泉街から少し離れた自然あふれる場所に、「亀の井ホテル 日光湯西川」はあります。
駐車場の向こうには、村内の茅葺き屋根の民家を移築し再現した観光施設「平家の里」の建物群が見えます。向きによっては客室から眺められるところもあるそう。
ロビーラウンジは間接照明が和モダンな雰囲気。陰影を楽しむ心地よい空間作りがされています。
ワインや地酒、おつまみも自由に楽しめるロビーラウンジ
ロビーラウンジの一角に、今回のオールインクルーシブホテルへの変更でバージョンアップしたコーナーがあります。
生ビール、スパークリングワイン、地酒などのアルコールを含むドリンクが豊富に揃います。手前のおつまみコーナーには、栃木県産の柿の種や日光甚五郎せんべいなども。
素晴らしかったのが、ボタンで好みの量をボトルから注いでくれるサーバー。白、赤、ロゼのワインに加え、栃木県の酒蔵からセレクトした地酒をラインアップ。
冷蔵ケースにはフムスや野菜のピクルスなどもありました。好きなものをチョイスして一杯、そして湯上がりや食後のひとときにも一杯…。本当に居心地が良すぎて、客室よりもロビーラウンジで過ごした時間のほうが多くなってしまいました。
内湯は加水のみのかけ流しで卵臭たっぷり
露天風呂は、平家の代表的な家紋である揚羽蝶の羽を思わせる石のオブジェが印象的です。加温・加水・循環という湯使いですが、晴れた日の夜は星空を眺められ、秋は紅葉、冬は雪見と湯西川の自然を感じながら浸かることができます。
感動したのが大浴場の内湯。客室数54室の大きなホテルながら、加水のみで、塩素投入のないかけ流しなのです。
泉質は無色透明の単純温泉で、わずかに硫黄を含むため、湯口からはもわもわとゆで卵のような温泉の香りが漂います。湯西川の湯らしさを存分に感じさせてくれます。
郷土料理も囲炉裏端で好きなだけ。夜食の夜鳴き担々麺も忘れずに
お楽しみの夕食は「ごちそう里山料理」がコンセプトのブッフェ。もちろんこちらで楽しめるドリンクもオールインクルーシブ。ロビーラウンジとはまた種類が違っていて、「これが飲めるの?」と驚く栃木の地酒や果実酒が揃っていました。
湯西川の温泉宿といえば、平家落人たちが食した料理を彷彿させるお狩場焼きが名物ですが、それを食べ放題にできるところはこれまでなかったかも。うるち米を餅にして焼いた「板台餅」や山女魚などの定番のほか、湯波や生麩といったオリジナリティを感じる串も。好きなものをチョイスし、各テーブルの囲炉裏で温めながらいただきます。
そのほかにも桶盛り野菜サラダコーナーや、きのこたっぷりの鹿鍋、ライブで提供するにぎりたてのおにぎりなど盛りだくさんな料理が並びます。手前のオンテーブルで供される前菜は、栃木のブランド魚・ヤシオマスや、生湯波の盛り合わせ。
囲炉裏ではマシュマロを焼いて楽しめます。焼き目が付いて少し溶けたマシュマロをクラッカーに挟んでスモア風にしていただきましょう。
そして21時からは、全国の亀の井ホテルで実施中の「地獄めぐり 夜鳴き坦々麺」が無料サービス。この日は、ごまのクリーミーなコクがたまらない白ごま担々麺でしたが、四川風の赤、黒ごまたっぷりの黒を加えた3種類が月替わりで楽しめます。細麺で少量なので、夕食後でもペロリといただけます。
里山の朝ごはんで目覚め、平家落人の里をお散歩
里山ブッフェがテーマの朝食も、新鮮な野菜やご当地料理がいっぱい。料理人が目の前で焼き上げる出汁巻き玉子には、ブランド卵の那須御養卵が使われています。
北関東のブランド卵5種を食べ比べできるのも楽しいサービスで、贅沢に2種をベーコンエッグにして味わいました。ほっこりさせる里山料理の数々が朝から食欲をそそります。
朝食でパワーチャージした後は周辺をお散歩。宿からも見える「平家の里」は、移築復元した茅葺き屋根の建物が立ち並び、かつての集落が再現されています。館の中には、平家の武将たちの像や武具、暮らしぶりを偲ばせる生活道具などが展示されています。
温泉街の中心に近い川沿いには、落人が暮らした800年前の面影を留める「平家集落」があります。数年前まではこちらの古民家にも茅葺き屋根が残っていましたが、今は瓦屋根をかぶせています。古民家の空間を活かした湯豆腐屋もあります。
チェックインからアウトまでの間なら、電動自転車が無料でレンタルが可能ですので、もう少し遠くまで足を延ばしてみることもできます。
湯西川温泉の冬といえば、日本夜景遺産に認定されたかまくら祭の季節です。2025年は1月31日~3月2日まで。金土日のみ開催のミニかまくらのライトアップ会場までは宿から歩いて10分なので拠点にもってこいですよ。
オールインクルーシブになってもお得すぎる宿泊料金はぜひ公式サイトでチェックしてみてください。