「亀の井ホテル塩原ワンちゃんの宿」で塩原唯一の黄金の湯に浸かる

野水綾乃

温泉と旅のライター

2025年2月1日より全室愛犬と泊まれる宿にリニューアルした「亀の井ホテル塩原ワンちゃんの宿」。「温泉会議」的には、塩原温泉郷に７色ある温泉のうち、唯一の黄金色の温泉に浸かれるので、その温泉を中心にご紹介したい。

歴史ある塩原温泉郷をワンちゃんと楽しむ

全国に40棟ある「亀の井ホテル」ブランドの中でも初の全室愛犬と泊まれるホテルに生まれ変わった「亀の井ホテル塩原ワンちゃんの宿」。これまで塩原温泉では一部の客室や小さな温泉宿でペット可のところはあったが、全39室もの規模でOKな宿はこちらがはじめて。

宿があるのは塩原温泉郷の中心に近い福渡温泉エリア。温泉街の近くでありながら、渓谷の森の中にある塩原温泉ビジターセンターに隣接し、ワンちゃんのお散歩にも最適な自然豊かなエリアにある。

敷地内には無料で利用できるドッグランが３つも。上の写真は、建物の真ん中にあり、いつでも利用しやすい「中庭ドッグラン」。そのほか、山林の自然をすぐそばに感じることができる、ウッドチップの敷かれた「屋外ドッグラン」と、雨の日でも安心の「屋内ドッグラン」があり、混雑状況で選んでもいい。

客室は温泉露天風呂（ペットの入浴は不可）付きの和洋室やツインベッドルームなどもあるが、和室が中心で、伝統の温泉旅館の雰囲気を残している。ケージやフードボウル、ぺットシーツトレーなど、ワンちゃんの滞在に必要なものはたいてい揃っている。

黄金色に染まる湯

塩原温泉郷は実は泉質の宝庫。６種の泉質が楽しめる上に、７色（乳白色・茶褐色・黒色・黄金色・緑白色・薄墨色・透明）の湯の色が存在している。黄金色の湯に入れるのはここだけ。

茶褐色の湯が楽しめる塩の湯温泉と源泉が近いので似てなくもないが、こちらのほうがやや明るい色調で、まさに黄金色である。泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物温泉で、内湯はお湯張りの時のみ加水し、あとはかけ流し。消毒ありだがほとんど気にならない。塩の成分のベールが肌を包む。

露天風呂は加温と循環がされているので、黄金色とは違う色に。こちらも塩素臭は気にならず、周囲の自然を感じられる。

食事もワンちゃんと一緒にレストランで

食事も館内のレストランでワンちゃんと一緒に。テーブルのリードフックやカートでそばにいながら食事が楽しめる。この日もほとんどのテーブルにワンちゃんがいたけど、ワンちゃんの宿であること忘れちゃうぐらい、おりこうな子たちばかりだった。

夕食は会席料理。A5ランクの那須高原牛を使った酒粕鍋、日光の伏流水で育てるブランドマス「頂鱒（イタダキマス）」の刺身など、栃木の食材が随所に盛り込まれる。

ワンちゃんのメニューは持ち込みが可能なほか、ロールチキンプレートなどのドッグメニュー（有料）もあり。

朝食は45種ほど料理が並ぶブッフェスタイル。宇都宮の老舗製麺所の麺とご当地ソースで味わう宇都宮焼きそばなども。この日はほうれん草だったが、塩原産の野菜を使った料理も盛り込まれる。

ワンちゃんと温泉街や牧場を満喫

箒川（ほうきがわ）の渓谷に沿って温泉街が続いている塩原温泉郷には、15の滝と12の吊橋が点在している。写真はホテルから歩いてすぐの七ッ岩吊り橋。足下のキラキラと光る箒川の水面と、四季折々で姿を変える渓谷美を眺めながら渡ろう。渡り切ったところには、ひと休みできる足湯も。

行き帰りに立ち寄りたいのが、宿から車で30分のところにある「那須千本松牧場」。2024年10月にリニューアルしたばかりで、新しくなったレストランでは牧場で育った乳牛の牛肉100％のちぎりハンバーグなどがいただける。

テラス席ではワンちゃんと一緒に食事がOKだし、2025年4月中旬のグランドオープンにはワンちゃんと一緒に遊べるドッグパークもオープンする。どうぶつふれあい広場もワンちゃんと一緒に入場できるので、ぜひ訪れてみて。