温泉とは『ぬるい』ものだと思っていました
温泉とは『ぬるい』もの。栃尾又温泉に生まれ育った湯守たちは、きっと代々そう思っていたはず。
私も幼少期は『温泉はぬるいもの』とばかり思っておりましたが、大人になるにつれ、どうもぬるい温泉の方が少数派、いやむしろ希少であることに気づきました。
それと同じく、栃尾又温泉は田舎じゃないと思っていました。テレビも見れるし、道路だってある。全然、田舎じゃないじゃないか。と、思っていたのですが、大人になって思い知りました。もはや、田舎を超えて、山中であると。
それはおいておいて、ぬるい温泉育ちの私達からしてみれば、ぬるい温泉ほど素晴らしいものはない!のです。
じんわりじっくり、体の芯まで温まり、冬は帰り道にコートを羽織るのを忘れるくらい、身体がポカポカ。ぬるい温泉に長湯をした効果で、家に帰るともう起きていられないほど、睡魔に襲われグッスリと眠りにつける。朝はこれでもかというほど、スッキリ起きれます。よっぽどよく眠っているのでしょう。
また、ぬるいお風呂にながーく入った後や、グッスリ休んだ後には、これまたお腹が空くのです。「空腹に優る調味料なし」とはよく言ったものです。湯治しているとその言葉の意味をよく理解できました。ごはんの栄養が体に染みわたるのを感じます。
小さいときから、野球の練習やスキーのあとには「湯治してきなさい」と言われたものですが、大人になってみればありがたい環境だったなあ・・・と、つくづく思います。
小さいころからこの温泉の魅力をこれでもかというほど体で感じてきた私ですので、温泉が湧き続ける限り守ってゆきたいと思ふのでした。
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