復活!山あいに突如あらわる足元湧出グレーの泥湯【南阿蘇地獄温泉 青風荘.】 – 温泉会議
全国津々浦々、温泉があるまちへGOGO!ゲストハウスや地域で活躍する人を取材するライターが、旅先の温泉と、まちで出会ったおもしろい人・モノ・コトを紹介します。

復活!山あいに突如あらわる足元湧出グレーの泥湯【南阿蘇地獄温泉 青風荘.】

ライター・「ゲストハウスプレス」編集長

熊本に行く予定があったので、どこかいい温泉ないかな…と探していると、阿蘇在住の友人におすすめされたのがこちら、地獄温泉青風荘.

熊本県南阿蘇村、阿蘇五岳のひとつ・烏帽子岳の山麓に湧く温泉で、200年以上の昔から湯治場として愛されてきました。しかしながら、2016年の熊本震災とその後の豪雨による土砂崩れで大きな被害を受け、宿泊施設や温泉のほとんどが土砂に埋もれてしまいました。

それから3年後の2019年に新生日帰り温泉・すずめの湯として営業再開。宿泊施設も名称を青風荘(旧名青楓荘)と一部変更し再スタートとなりました。

すずめの湯は湯あみ着着用の混浴泥湯

すずめの湯の特徴はなんといっても、足下から湧き出て、加水しないでそのまま浸かれる足元湧出と、湯の成分が濃くてまるで泥のようなお湯の成分。美肌成分であるメタケイ酸が豊富な泉質なのだそう。泉質は、単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)(低張性酸性温泉)で源泉温度 41.3℃~47.1℃と、加温しなくても最適な温度とわかります。

館内にあった新生すずめの湯の利用案内 

すずめの湯のリニューアル後は、泥湯の特質を活かし、以前は裸で混浴の伝統的なスタイルだったところを一変、老若男女が気遣いなくお湯を楽しめる湯あみ着や水着を着用する“着衣入浴”のスタイルに変更しました。

露天には「あつ湯」「ぬる湯」「冷泉」の3つの浴槽がありました。いずれも更衣室と内湯は男女別で、露天と休憩所では男女とも同じ浴槽に入ります。

まずはぬる湯やあつ湯で身体をしっかり温めて。、湯船の底に溜まった泥を肌に塗ってパックすれば入浴後はお肌がしっとりスベスベになるそう。もちろんわたしも顔や手肌に塗り塗りしました。

古い温泉設備を活用し、レトロ感と現代をうまくミックスさせています

新設された冷泉は、湖のそばで温まりそのまま水に飛び込む北欧サウナをイメージしているそう。あつ湯と冷泉を何度も往復して交互浴。阿蘇山麓の自然を存分に感じながらリフレッシュすることができました。

奥にあるのが新設された冷泉

休憩所に自由に飲める水が置いてあるのも、温泉前後のリフレッシュにうれしい配慮で。こちらの水は、近隣の名水として知られる白川水源から採ってきているのだとか。どうりで美味しいはず!まめに係の方が補充されているのも好印象でした。

見晴らし抜群!たまごの湯

もうひとつ、新しく作られた温泉が「たまごの湯」。こちらはコンクリートを多用した趣が異なるモダンな造りになっています。

実はこの付近は、豪雨災害の被害が激しかったところで、今後もし土砂災害が起きたとしてもこの建物が、下の家屋の擁壁となるようにという考えがあったからなのだとか。

下が元の湯、階段を上がった先にあるのがたまごの湯

地獄温泉・青風荘は、細い坂道をぐんぐん上ってようやく着くような外輪山中腹に位置しています。そんな山の中に、めちゃくちゃかっこいい建物が建てられていることに驚きがあったのですが、リニューアルに際して考慮されたエピソードを知ると、より感動度が増します。

たまごの湯は単純酸性温泉(低張性酸性高温泉)と、すずめの湯とまた泉質も違います。阿蘇一望の最高の景色を眺めつつ、湯にゆったり浸かるのは最高でした。

その他、元の湯、宿泊棟、お食事処、受付兼ショップなど、広い敷地に設備が点在。現状、車でしかアクセスしづらく、日帰り湯の受付時間が15時で終了するので、旅のスケジュールリングには注意が必要ですが、ほんとうに素晴らしい温泉体験となりました。

お食事処もありました
受付と宿泊者用ラウンジ

阿蘇の絶景も忘れずに

地獄温泉すずめの湯に行ったなら、やっぱり訪れてほしいのが阿蘇のカルデラを感じられる場所。大観峰はなかでも日本とは思えない規模の大パノラマが楽しめます。もし早朝にチャンスがあれば、雲海を眺められることも。阿蘇観光のなかでも知られた名所ではありますが、行って損なし!です(ただし悪天候時は除く、霧で何も見えません笑)。

大観峰からの雄大な景色

地獄温泉青風荘.

西村祐子
ライター・「ゲストハウスプレス」編集長
国内・海外問わず、スキあらば旅にでかけるインタビューライター。廉価な宿ゲストハウスを紹介するメディアも主宰。マニアほどではないけれど長年の温泉好き、ボディセラピスト歴15年で健康オタクの顔もあり。
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