温泉とオイシイもの@湯布院温泉郷・5つの湯をめぐる – 温泉会議
温泉に浸り、自然に癒され、旅ならではのおいしいものに出会う。温泉旅は美と健康をもたらす幸せの源です。年200日、国内外の温泉を旅して見つけた一湯一会一グルメをつづります。

温泉とオイシイもの@湯布院温泉郷・5つの湯をめぐる

温泉ビューティ研究家・旅行作家

湯布院温泉郷とは大分県由布市にある5つの温泉地のことで、環境省の国民保養温泉地にも指定されている湯量たっぷり&自然が豊かなエリアです。5つの温泉地は、散策も楽しい「由布院温泉」、情緒たっぷり!赤提灯の石畳「湯平温泉」、火口もくもく酸性含鉄泉の「塚原温泉」、暮らしを感じるほっこり系「庄内温泉」、隠れ湯が点在する「挾間温泉」と、個性が全然違うので、由布院温泉から足をのばして巡ってみることにしました。

由布院「ゆのつぼ温泉」

「ゆのつぼ温泉」単純温泉 源泉温度64℃

大分空港から直行バスで由布院バスセンターに到着したら、最初に向かうのが「ゆのつぼ温泉」。200円で入れる共同湯で、日常の湯として利用する地元の方も多い。源泉かけ流しの湯でたっぷりと満たされていて、ぎゅっと包まれるような新鮮さを感じます。

湯上がりはベンチでしばし休憩。湯の坪街道の裏通りにあります。

おふくろの味・陽だまり食堂のだんご汁

もっちもちの超幅広太麺が入った具沢山の味噌汁のような郷土料理「だんご汁」
一番人気は「陽だまり定食」。いつもごはんを半分にしてもらってます

駅から徒歩2分の「陽だまり食堂」は、農産物直販所の奥にあり、地元のおかあさん達がつくるだんご汁は、野菜たっぷりで美味しい。熱々揚げたての鶏天、豊後牛の牛肉ごぼうコロッケもふんわりサックサク。

土地の名水を飲んで、温泉に入る

温泉は、その土地のエネルギーにまるごと触れられる場所。だったら、入る前と後の水分補給も、その土地に湧く名水を飲んでみようと思い立ち、由布院駅の近くにある「若宮八幡社」名水へ。なんだか体の中まで浄化される気がします。

若宮八幡社の名水はやわらかな軟水

隠れ湯が点在する「挾間温泉」

由布院駅から田園風景を走り車で1時間程の挾間温泉エリアには隠れ湯が点在。以前に極楽温泉をご紹介しました。(記事はコチラ➡選ばれし者しか辿り着けない由布院の極楽

今回は、竹林の小路の奥にある、はさま温泉「ゆの杜 竹泉」、日帰り温泉施設です。男女別大浴場と個性的な貸切家族温泉(別料金)がたくさんあります。

男女別大浴場は内湯と露天風呂があり、湯量たっぷり源泉かけ流し。

泉質はアルカリ性単純温泉、pH8.5でとろりとやわらかな感触にうっとり。内湯は熱めとぬるめの浴槽があって、あまりのここちよさに無限ループになってしまいそうです。

森を抜ける風が爽やかな露天風呂

挾間で湯上がりカフェ&スイーツ「TOAST coffee roaster」

挾間町に住む友人に教えてもらったカフェ「トスト コーヒー ロースター」へ。

湯めぐりの合間で、美味しいコーヒーを飲むのが大好きなので、常に「いい湯」と「居心地のいいカフェ」はセットで探してしまいます。

「生プリンあります」の黒板に魅かれて。しかもソフトクリームトッピング♪

このお店は、コーヒー豆を焙煎して丁寧に淹れてくれるし、手作りのスイーツが絶品なのです。その日にいただけるスイーツは店内の黒板に記載。ケーキやパイも美味しいのですが、湯上がり熱々だったので「生プリン&ソフトクリームトッピング」♪

コーヒー豆の焙煎機で、アーモンドも焙煎

なんと、ここでは、コーヒー豆を焙煎する装置でアーモンドも焙煎してくれるのです。確かに豆だけど、おもしろすぎる。

マスターに相談して数種類から、カリフォルニア・ノンパレルとスペイン・マルコナを選んで食べ比べ。芳ばしさが際立つカリフォルニアと、深みのある甘さが立ち昇っていくマルコナ(アーモンドの女王と呼ばれる品種)これは、ヤバいやつです。これまで食べていたナッツは何だったのか!!衝撃の美味しさに人生が変わりました。温泉旅は新しい世界との出会いがあります。

湯平温泉「銀の湯温泉」

田園を走る赤い列車がカワイイ

赤い提灯の石畳の坂道が印象的な湯平温泉には、4つの共同湯があります。現在(2月3月)は利用中止していますが、2023年4月ごろには4つの共同湯を全て営業再開予定とのニュースをききました!昨年9月に外来入浴できた「銀の湯温泉」をご紹介します。

4月ごろから営業再開予定の「銀の湯」外来200円、湯平温泉宿泊者100円
外来入浴は限定時間になる可能性があるので要確認

男別に真ん中で仕切られた共同湯。泉質はアルカリ性単純温泉、pH8.8。さらりとした癒し系、温泉街を散歩しながら共同湯巡りができる日が楽しみです。

デイキャンプすると入れる「庄内温泉」城ヶ原オートキャンプ場

入浴だけの利用はできないのですが、庄内エリアに「いい湯」を発見したので、おまけ情報としてご紹介します。

城ヶ原オートキャンプ場 は、ログハウス、キャンピングカー、テントを張ってキャンプができる場所。デイキャンプ(11:00~16:30)利用も可能で、貸しテントもあります。

キャンプかログハウスを利用した人のみ無料で利用できる温泉があります。

泉質は、ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉、pH8.6アルカリ性。とろりと肌に寄り添う温泉で湯上がりはしっとり。ほんのり森の香りがします。

ほんのりモール臭(木材のような香り)がします

パワースポットの名水と「塚原温泉」火口乃泉

土地のパワーが詰まった温泉に入る前後に、その土地に湧く名水を飲んでみよう第2弾。塚原名水が湧く「霧嶋神社」へ。鳥居から続く参道に山のパワーが降り注いでいます。

参拝してから名水をいただく

名水の湧く場所に神社を建てた歴史があり、参拝をして神様に感謝し、名水をいただきます。

すっきりした透明感のある味わい

名水で水分補給して体の流れを整えたら、塚原温泉火口乃泉へ。

男女別内湯のみの入浴は500円

泉質は、酸性・含鉄(Ⅱ,Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩泉 pH1.9 56.0℃ 成分総計3.582g/kgと、酸性・含硫黄・鉄(Ⅱ,Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩泉 pH1.4 60.6℃ 成分総計9.059g/kg。

酸性の温泉で、殺菌&活性。ぴしっとした刺激で体の中まで駆け抜けるようなパワーを感じる温泉です。入った瞬間は「くうう、きく~」と、火口パワーを実感するのですが、次第に体がなじんで心地よくやわらかに感じるから不思議です。しかしながら、酸性が強いので肌をこするのは禁物。じっと入っているだけで、温泉が肌も体も整えてくれます。

帰ってからもオイシイ温泉みやげ

塚原温泉火口乃泉の上には伽藍岳(がらんだけ)の火口があり、高温の噴気で約20時間蒸した「蒸し卵」(6個入り500円)が名物です。人気ですぐに売り切れてしまうので、見つけたら必ずゲット。

湯上がりの栄養補給に一個。燻製のような芳ばしい味わい

残りはおみやげにして帰ります。

温泉みやげは帰ってからもオイシイ。由布院駅近くの「こちょぱん」の胚芽パンにはさんで、温泉X温泉グルメサンドを作ってみました。

石井宏子
温泉ビューティ研究家・旅行作家
「温泉は地球がくれたビューティーツール」。温泉、自然環境、食事など旅で心も体もキレイになる温泉ビューティ®を研究。温泉と美味しいものを求めて年間200日国内外の温泉を旅する。雑誌や新聞などに旅コラムを書き、テレビ・ラジオにも出演。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地や宿の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会代議員、温泉入浴指導員、国際中医師、気候療法士。杏林大学 外国語学部 観光交流文化学科 兼任講師(温泉療養学)公式HP: http://www.onsenbeauty.com
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