心潤すさぎの湯温泉とおいしいもの – 温泉会議
地域の風土や文化に根付いた、手仕事や技に触れる温泉旅へ。土地の湯、土地の人、土地の味、土地の香りを訪ねるテロワール温泉紀行。

心潤すさぎの湯温泉とおいしいもの

温泉ビューティ研究家・旅行作家

開湯1300年の国民保養温泉地「さぎの湯」へ

さぎの湯温泉の開湯は1300年ほど前。歴代藩主の御殿湯として栄えた温泉です。出雲や安来を旅する時、足立美術館に行かねばと思う方は多いと思いますが、実は足立美術館のお隣に素晴らしい温泉があるのです。

さぎの湯荘の客室露天風呂

さぎの湯温泉の源泉は50℃ほどあり毎分600ℓの豊富な湯量、「さぎの湯荘」は大浴場も客室の温泉もたっぷり源泉かけ流しです。泉質は、含弱放射能−ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉。源泉温度が高いのにラドンもしっかり含有し、身体の芯までぽかぽかと温まります。やわらかな湯の感触に包まれる至福の時間、肌をしっとり潤す美肌の湯です。

リニューアルされた客室は畳にベッド、窓際には書斎デスクもあって寛げます

「宿の主は代々料理人の修行をするんです」と、ご主人の田辺大輔さん。料理長とともに考える「さぎの湯荘」の料理は、日本海の幸、安来の里山の味覚が並ぶ美食。季節ごとにテーマがあってがらりと変わるので、それも楽しみのひとつです。

日本海の海の幸はお造りで

お気に入りの安来の地酒は、吉田酒造の「月山」の特別純米出雲。ワイングラスで美味しい日本酒アワードで最高金賞獲得、きゅんと冷えた芳醇な旨口でお刺身にも鍋にもよくあいます。

もろみの旨みと味わう安来金山寺みそ

安来のお土産でいただいた「金山寺みそ」の美味しさが忘れられず、醤油店に立ち寄りたいと地元で尋ねたら「どっちの醤油屋かね?」ときかれ、「えっ?2つあるの?」と両方訪れてみることにしました。

大正屋醤油店で工場見学

まずは、「大正屋醤油店」へ。工場を見学させていただきました。

樽の中でもろみが発酵・熟成して美味しい醤油に
ものすごくよい香り、ごはんが恋しくなります
大正屋醤油店の売店で、念願の「安来金山寺みそ」と、伝統製法の醤油、醤油の隠し味が人気のごまドレッシング

地元の人が殺到する、絶品ステーキハンバーグ

安来で人気のランチといえば「舶来屋」

「ステーキハンバーグ」は、しまね和牛をはじめとする国産牛をあらびきにし、肉だけで手こねしたハンバーグなのです。ラグビーボール型の成型にもこだわりがあります。炭火で表面をこんがり焼き、中はレアの状態で熱々鉄板に乗せ、ゲストのテーブルで仕上げをします。

じゅうぅぅう。アツアツの鉄板に乗ったステーキハンバーグは、目の前でカットし、ソースをかけて仕上げられます。

しっかりと肉の食べ応えがあって、ジューシーな肉汁が口の中に炸裂、悶絶級の美味しさで、180g880円(税別)!ごはんセットをプラスしても1000円ちょっと。地元のみなさんが通うはずです。

バリスタチャンピオンのカフェ

ランチの後は、おいしいコーヒーを味わおうと「カフェ・ロッソ」へ。

カフェロッソ ビーンズストア
イタリアのエスプレッソの味を目指した、特注のマシン

バリスタ&ロースターの門脇洋之さんは、全日本バリスタチャンピオン大会優勝、世界大会上位入賞。自家焙煎の豆は浅煎り、中煎り、深煎りと味わいの違いも楽しめるし、イタリアのエスプレッソコーヒーの味わいを探求して、圧力を自在に変えることができるマシンをメーカーに特注しています。エスプレッソといえば、シューという大きな音とともに抽出されるイメージですが、ゆっくりと静かに抽出される初めての光景。

カプチーノのラテアートも可愛く描いてくださいました。ふわふわクリーミーな泡を上唇につけて味わうのがたまりません。

具沢山のおかず金山寺みそ

もう1軒の醤油店「矢田醤油店」へ。

昔ながらの手仕事で醤油をつくっています。

なんと、後を継いだお嬢さんの旦那様はパンクロックアーティスト。パンクなデザインのTシャツや「暗黒ノ醤油」も人気です。

お目当ては、具沢山でちょっと甘めの金山寺みそ。代々受け継いだこだわりの味で、ナス、人参、きゅうりなどの具がざくざく入っている「おかずになる金山寺みそ」です。ごはんの供だけじゃなく、クリームチーズと一緒にお酒のお供にもおすすめとか。

左:大正屋醤油の安来金山寺みそ、右:矢田醤油店の金山寺みそ

もっちりとした粒々もろみの旨みが癖になる大正屋醤油。ごはんに山盛りにしてパクパク食べたくなる具沢山の矢田醤油店。両巨頭揃い踏みで楽しみたい、安来の金山寺みそ巡りでした。

さて。明日は、さらなる安来の手仕事を訪ねます。→2日目の記事はコチラ

石井宏子
温泉ビューティ研究家・旅行作家
「温泉は地球がくれたビューティーツール」。温泉、自然環境、食事など旅で心も体もキレイになる温泉ビューティ®を研究。温泉と美味しいものを求めて年間200日国内外の温泉を旅する。雑誌や新聞などに旅コラムを書き、テレビ・ラジオにも出演。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地や宿の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会代議員、温泉入浴指導員、国際中医師、気候療法士。杏林大学 外国語学部 観光交流文化学科 兼任講師(温泉療養学)公式HP: http://www.onsenbeauty.com
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