コテコテ析出にまたがる少年湯口の絶景【赤倉温泉 遠間旅館】
温泉ソムリエの聖地
新潟県妙高市の高原に位置する赤倉温泉。
遠間旅館は温泉街の大通りにたたずむ老舗の和風旅館です。全国に2万人以上の認定者数を誇る人気資格「温泉ソムリエ」の家元の遠間さんが経営する宿でもあります。
そんな温泉ソムリエの聖地の遠間旅館には、素敵な「湯口」さんもいらっしゃいます。
赤倉温泉のメインストリートに面する遠間旅館は、5階建ての近代的な高層旅館。しっかりと和の風情を取り入れたつくりです。
歴史も深く、現在5代目なのだそうです。
大浴場は内湯のみの「源泉かけ流し」
大浴場は男女別の内湯のみ。温泉ソムリエ家元の宿ということだけあって、温泉はもちろん「源泉かけ流し」で注がれています。
加水・加温・消毒なしの最高のコンディションで、「鮮度」は抜群です。
露天風呂を設ける宿は数多いですが、遠間旅館では源泉の「湯づかい」にこだわり、あえて露天風呂はつくらない、というお湯に対する確固たるポリシーをお持ちです。
鮮度抜群の美肌の湯
泉質は、カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉。
無色透明のお湯の中にはヒラヒラと白い湯の花がただよいます。
泉質には現れませんが、湯口付近はほのかに甘い「硫黄の香り」を感じる抜群の鮮度の良さ。
湯口からお湯をすくい飲んでみると、甘うま塩ダシ味にほんのり焦げた風味が後から追いかけてくる複雑で繊細な味わいです。
いかにもミネラルたっぷりで、コントレックスのような飲みごたえがあります(ちなみに、飲んでいいとは書いてないので、あくまで自己責任です)。
「湯口」さんとご対面
ツルスベ感とキシキシ感の同居する肌触りからも成分の濃さを実感。しばらくつかっていると、身体にプルプルとまとわりついてくるような感触が心地よく、幸せなひとときです。
湯上りは、そのプルプルが肌に乗り移ったかのようなしっとり感。化粧水いらずの湯ともいわれるほどの美肌力を備えています。
さて、それでは本題の「湯口」を拝見いたしましょうか。
まずは男湯の湯口さん。
どっしりとたたずみベテラン感を醸し出すワイルド岩石湯口です。
そこにはびっしりとホワイトベースの析出物がこびりつき、全体を覆うように成長しています。
あぁ、美しい。うっとりしてしまいます。
目の前に陣取り、析出に優しく触れながら、ずっと見つめていたい。
温泉で絶景といえば、露天風呂から見える景色を思い浮かべる方が多いと思いますが、私の中では湯口が一番の「絶景」です。
宿の許可をいただき、女湯の「湯口」さんにも会わせていただきした。
こちらは男湯に比べてやや小ぶりな印象ですが、少年のオブジェが君臨しています。
遠く1点を見つめて析出にまたがる少年。希望に満ち溢れた表情をしています。これから彼にはどんな試練が待ち受けているかわかりませんが、どんな困難も乗り越えてくれるでしょう。
頑張れよ、少年。
ちなみに少年は今のところ「名無し」とのこと。
ご主人の遠間さんに、彼を「小松」と命名してほしい、とお願いしてみたら、二つ返事でOKをいただきました。
ですので、彼はこれから「小松」くんです。よろしくお願いいたします。
山の幸、海の幸、地酒の最強トリオ
湯口を愛でて心が満たされたらお腹も満たしたくなります。
宿の夕食は全て手作りで、妙高の山の幸、日本海の海の幸が彩ります。米どころの新潟県だけあって、ご飯も美味しい。それを越後の地酒とともに楽しむことができます。
温泉ソムリエ家元の経営する「遠間旅館」。
全9部屋とアットホームな雰囲気で、宿の皆さんの温かさを身近に感じるお宿です。
ぜひ温泉ソムリエ家元でご主人の遠間さんと「湯口」に会いに行ってください。そして女湯湯口の「小松」くんによろしくお伝えくださいね。
温泉情報
【赤倉温泉 遠間旅館】
住所:新潟県妙高市赤倉34-2
電話:0255-87-2028
URL:https://www.myoko-akakura.com/
泉質:カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉(低張性 中性 高温泉)
源泉温度:50.2℃
pH:6.6
湧出量:-ℓ/分(自然湧出)
加水:なし
加温:なし
加温:なし
消毒:なし
利用状況:かけ流し
※訪問時の情報です(2021年7月)