フルスロットルな焦がしチーズ析出湯口【小浜温泉 よしちょう】
ドバドバと源泉を大量投入する配管湯口さん。満開な湯量が見るものを圧倒します。焦げ茶にこびり付いたパリパリな析出物が「焦がしチーズ」のようで美味しそうですね。
小浜温泉街のあるお食事処 兼 温泉処
長崎県の小浜温泉は、島原半島の西側に湧く温泉地。海沿いに広がる温泉街は、20軒ほどの旅館・ホテルなどの宿泊施設に共同浴場が並んでいます。海に面しているため、オーシャンビューな露天風呂を持つ施設が多く、大変魅力的です。
そんな小浜温泉にも、風光明媚な露天の景色に勝るとも劣らない、絶景「湯口」さんがいらっしゃいます。「味処湯処 よしちょう」さんです。
小浜温泉の大動脈である国道251号線沿い。温泉街のちょうど真ん中あたりに、「よしちょう」の大きな建物は堂々とたたずんでいます。白い壁の昭和レトロな外観は、20数年前、自分が通っていたころの小学校みたいな感じで懐かしいです。嫌いじゃないです、こういう感じ。
お食事処でもある「よしちょう」さん。自家製麺の「小浜ちゃんぽん」が名物で、なんと「温泉水入り」なんだとか。しかも、食事をしたら入浴が無料に。ですが、訪れた当時は食堂には目もくれず、温泉のみで利用。温泉水入りの小浜ちゃんぽんも食べてみたかったなと、ちょっと後悔しております。
ちゃんぽんのことも、食事したら温泉無料のことも看板に大きく書いてありますが、まったく気がつかず。温泉のことしか考えていなかったのですね。仕方ない。
殺伐とした巨大な湯船は、香ばしい硫黄アブラ臭の源泉が惜しげもなくかけ流し
大浴場は男女別の内湯のみ。温泉のみの利用は400円です。コスパは素晴らしい。
内湯のみとはいえ、湯船はプールのように超巨大です。多分100人入っても大丈夫な広さ。コンクリートむき出しの無機質で薄暗い倉庫のような空間は、じっくりと時間が積み重なり、少し殺伐として寂しさすら感じます。そんな中、湯船の真ん中には滑り台が設置される遊び心が素敵です。滑ってみましたが、やはり楽しいですね。全裸の滑り台は、お尻がこすれて刺激的でした。
泉質は、ナトリウム-塩化物泉。源泉が99度と沸騰直前の高温のため、加水こそしていますが「かけ流し」の湯づかいは嬉しいポイントです。これだけの湯船をかけ流しで満たしているのは、ものすごいですね。
成分総計約9グラムの源泉は等張性で塩加減ばっちり。鮮度の良いお湯は、ほのかにアブラと硫黄の混ざったコクのある香りがします。舐めてみると、ちょうどいい塩ダシ味に苦アブラ硫黄のクセがアクセントで、煮詰まったみそ汁みたいな味で美味しかったです。そして、この源泉が入った小浜ちゃんぽんが食べたかったなと、改めて後悔です。
フルスロットルで源泉を大量投入する配管湯口さん
この莫大な湯量を一手にまかなっている「湯口」さん。5つほどの「湯口」さんが並び、マジメに湯口業務に従事してくれていますが、この日稼働していたのは1湯口のみ。彼がフルスロットルで熱々の源泉を放出し続けています。その湯量と高熱に耐えるためか、極太かつ極厚な配管のたくましい姿は、昭和の日本を支えた男らしい建設作業員のような頼もしさです。
そんな彼には、こげ茶のパリパリな析出物が立派にこびりついています。なんだか「焦がしチーズ」みたいで、これをはがして食べてみたくなりますね。
温泉情報
【小浜温泉 よしちょう】
・住所:長崎県雲仙市小浜町北本町905-32
・電話:0957-75-0107
・URL:https://www.yoshicho-obamaonsen.com/
・泉質:ナトリウム-塩化物塩泉(等張性 弱アルカリ性 高温泉)
・源泉温度:99.0℃
・pH:8.4
・湧出量:-ℓ/分(自噴)
・加水:あり
・加温:なし
・加温:なし
・消毒:なし
・利用状況:かけ流し
※訪問時の情報です(2019年5月)
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