真っすぐな湯口さんと、下向き湯口さんがそれぞれの方向に源泉を注ぐ、ツインスタイル。全身に育った繊細なチクチク析出が美しく、愛おしくてゾクゾクしますね。２つあるって素晴らしい。

西会津にたたずむ貴重な共同浴場

福島県の金山町は、良質な炭酸泉の湧く全国的にも貴重なエリア。２０２２年１０月に、全線再開した「JR只見線」でも話題になりましたよね。
八町温泉は、野尻川を挟んだ対岸の玉梨温泉とともに、数軒の温泉施設を有する小さな温泉地。どこから向かうにもアクセスがそこまでよくないため、都会とは一線を画す、静かな田舎を感じさせる雰囲気の温泉です。そんな八町温泉の共同浴場である「亀の湯」は、皆さんの寄付金によって支えられている無人の温泉。２００円の協力金を支払い、誰でも入浴することができます。本当、ありがたいですよね。

神々しくて鄙びた混浴のお風呂

素朴な木の湯小屋の中に入ると、天井の高い広々とした空間。壁には寄付をされた方の金額とお名前が書かれた札がびっしりと貼られ、鄙びた雰囲気の中にも神々しさがただよっています。お風呂は、５、６人ほどが入れそうな長方形の湯船がひとつ。脱衣所は男女別に分かれていますが、混浴タイプの共同浴場です。

泉質は、ナトリウム－炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉。こちらの「亀の湯源泉」と、対岸の「玉梨源泉」をブレンドし、加水・加温・循環・消毒なく「完全かけ流し」でドバドバ投入されています。
お湯は、炭酸がプチプチ弾ける中に軽快な金気が香り、湧き立てで新鮮そのもの。飲んでみると、鉄をまとったさわやかな甘さを薄塩ダシ味でまとめて炭酸で割った、ソルティレモンサワーな味わい。一週間仕事をがんばった金曜の夜、疲れた身体にしみわたる１杯目のお酒のような気持ち良い飲み口でした。ツルツルとキシキシの入り混じる肌触りも極上です。

それぞれが主役のチクチク析出ツインバズーカモンスター湯口さん

そんな超新鮮な源泉をドバドバ投入してくれる湯口さん。こちらのお風呂は２人体制で完全無欠な攻撃を展開してくれています。

ロングな塩ビ管のお２人は、下向きと真っすぐ向きで別方向をご担当されています。そつがない効率的な仕事風景です。かなりベテランなのでしょうか。全身には百戦錬磨な経験値を物語る析出物が育っています。繊細なチクチクは美しすぎて毒々しさも併せ持ち、愛おしい。

心優しいモンスター的な風情を醸しだすツインバズーカ。それぞれが単独で主役を張れる実力を持っていますが、ダブルでアグレッシブに攻めていただいている安心感がすごいです。今後も安泰ですね。未来はきっと明るいです。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

温泉情報

【八町温泉 共同浴場 亀の湯】
住所：福島県大沼郡金山町大字八町字居平619
電話：－
URL：https://www.town.kaneyama.fukushima.jp/site/kanko/onsen-guide-hatimationsen.html

＜亀の湯 源泉＞
泉質：ナトリウム－炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉（低張性 中性 温泉）
源泉温度：41.8℃
pH：6.1
湧出量：68ℓ/分（動力）

＜玉梨温泉 町営源泉＞
泉質：ナトリウム－炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉（低張性 中性 高温泉）
源泉温度：45.9℃
pH：6.4
湧出量：219ℓ/分（動力）

加水：なし
加温：なし
消毒：なし
利用状況：完全かけ流し
※訪問時の情報です（２０２０年１月）

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