日本最北の秘境「とよとみ温泉」の豊富な〇〇 – 温泉会議
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北の湯から南の湯から。日本全国の温泉を繋ぐ「湯戸端会議室」。温泉に浸って地元のレアな話が聞きたくなったら、この場所へお立ち寄りください。

日本最北の秘境「とよとみ温泉」の豊富な〇〇

豊富温泉 川島旅館 女将

みなさんはじめまして!
北海道の一番北のまちは稚内ですが、そのひとつ南隣の豊富(ほうふ、と書いて-とよとみ-です)町の「とよとみ温泉」です。

北海道にもたくさん名湯はありますが、ここ「とよとみ温泉」は知る人ぞ知る名湯!
温泉大好きなマニアックな方や、温泉研究をご専門とされている方たちの中では有名、という、この温泉会議でご紹介するのにうってつけなマニアック温泉なのです!

今回は、とよとみ温泉開湯時からの宿、川島旅館の女将、わたくし松本が、このとよとみ温泉の豊富な色々についてご紹介させていただきますね。

ようこそ!とよとみ温泉へ♪

ザ・北海道な風景が広がっています

ここ豊富町は北海道の北部に位置し(ここ数年はエアコンが必要な日も増えましたが)一年中涼しい気候です。
植物は秋になって枯れ、積み重なり、寒冷地ですので長~~い年月を経てやっと分解されていきました。
その2万年分とも言われる堆積物が生み出したのが
温泉 と、
オイル と、
天然ガス です。
もともと大正後期に石油の試掘をしたところ、それがいっぺんに出てきたのが、とよとみ温泉のはじまりだそうです。
なんだかお得ですね。
汲み上げられたものは
温泉&オイル と、天然ガスに分けられ、私たち温泉事業者は、ありがたく天然ガスも使わせていただいております。

泉質は、
含よう素-ナトリウム-塩化物温泉(高張性弱アルカリ性温泉) です。

豊富温泉の泉質と働き

殺菌効果の高いヨウ素、重曹を多く含む温泉なのですが、蒸発残留物の種類も豊富です。
もともと海の下だったこともあり、塩分も含むしょっぱい温泉なのですが、塩分濃度は”生理食塩水と同等”という奇跡!
「お母さんのお腹の中のような優しさ」と表現されることもありますが、体液と同じ塩分濃度だと何が良いかといいますと
『傷がしみない』というのも大きなメリットのひとつです。
とよとみ温泉は、アトピーなどの皮膚疾患療養の方も多く訪れる温泉で、かつてはヤケドや傷の治療を目的に入られるお客様も多かったと聞いています。
塩分は身体もあたためてくれますので、体温を高め、免疫力アップも期待できるということですね!
しかも、高張性泉なので身体に浸透しやすく、お肌に優しい弱アルカリ性。

 ➡豊富温泉 泉質・効能 *詳しく知りたい方はこちらも!

さらに。最大の特徴は!!

ここまでハイスペックな特徴がありながら、最大の特徴のご紹介はここからですよ~みなさま!

左側からオイルが侵食してきているのがわかりますか?

とよとみ温泉の最大の特徴は、とにかく「油」です!
石井宏子さんがとよとみ温泉を「ドレッシング」と表現されていて、一番わかりやすいなぁと思いました。
温泉のお湯と油が混ざり合って乳化しているような状態です。
日によって、さらりとしていたり特濃だったりと、油の具合は異なりますが、
ドレッシング のようであり ラーメンスープ(色は味噌ラーメンが一番近い) のようなとよとみ温泉です。

「油」の正体は、いわゆる「タール」です。

抽出すると漆黒なとよとみ温泉のオイル

もともと「石油」の試掘をしていて出た温泉、と、ご紹介しましたが、鉱物性の「石油」ではなく、植物遺骸から生まれた植物性の油です。
モール泉をイメージしていただくと近いかもしれません。

豊富温泉の地球科学的特徴がすごかった

私たちは、とよとみ温泉がアトピーなどの皮膚疾患患者さん達と関係を深く持つようになってから、皮膚科医の先生達とも交流を持ってきました。
先生達いわく、とよとみ温泉の油分には「タール」が含まれており、タールはかつて皮膚の治療法のひとつでもあったとのことで

タール成分がアトピー性皮膚炎と尋常性乾癬に対する有効性が認められている
と、平成31年に発表された温泉科学学会の論文にも示されています。

こちら➡ *日本温泉科学会・井上源喜先生、内野栄治先生、高野敬志先生による豊富温泉の研究論文

フィラグリンという皮膚の外層にあるたんぱく質が、乾燥、炎症などで減少した際に、増幅させてくれる力がタールにはあるそうです。

ちょっと難しい話を続けてしまいましたが、結論としてとよとみ温泉は

皮膚治療をしたい方にも

傷をなおしたい方にも

お母さんのお腹の中体験をして癒されたい方にも

美肌になりたい方にも

身体を芯からあたためて免疫力を高めたい方にも

とってもおすすめの温泉である、ということになります!

余談ですが、「油温泉」と言われることの多かったとよとみ温泉ですが、イメージ戦略、ということで私たちは「オイルバス」と呼ぶことにしておりますので、「オイルバス」や「オイル温泉」ということでみなさま覚えて下さいね。

次回は、わたしたち、川島旅館のご紹介をさせていただきたいと思います。
お楽しみに~


松本美穂
豊富温泉 川島旅館 女将
札幌で緑地整備やまちづくりのコンサルタントをしておりました。縁あって温泉旅館に嫁ぎ、子育てをしながら小さな温泉街の小さな宿を営んでいます。北海道 豊富温泉 川島旅館https://kawashimaryokan.co.jp/
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