ぬる湯に浸って心休みの湯治・栃尾又温泉
くたびれてしまった。
ありがたいことに仕事に恵まれて全力疾走していました。ふと、気が付けば、体中がどこもかしこも痛い、眠れない、やる気がでない、脳が動かない、なんじゃこりゃ?!の状態に。。。これは、ヤバいぞ、わたしの中の温泉が欠乏している、と、温泉へ逃亡。これを、温泉ビューティ的には「心休みの湯治」と呼んでおります。
今回の行き先は、新潟県・栃尾又温泉 自在館。理由はいくつかあって、そのひとつは、アクセスがシンプル。新幹線にさえ乗り込めば、浦佐駅に宿のバスが迎えにきてくれる。そう、心神喪失系ズタボロ状態でも、新幹線にさえ乗れば、宿の玄関にたどり着けます。
心休み湯治は2連泊で
「心休みの湯治」は2連泊。移動がなく、何もしなくてよい日を丸1日つくるのが必須ポイントです。自在館は連泊割引があり、2泊目は2200円引きなのも、うれしかったりします。
女性でもひとりで泊まりやすい部屋の条件として、トイレと洗面が部屋の中についていてほしいのですが、それもクリア。そして、和室でも、テーブルと椅子が欲しいのですが、そのテーブルがパソコンなどの作業がしやすい高さと大きさのものに進化していました。そして、部屋の中でもWi-Fi完備。
36度の源泉ぬる湯で脱力
自在館の大浴場「霊泉の湯」は、栃尾又温泉の共同湯にもなっていて、3軒あるどの宿に泊まってもこの共同湯に入りに行きます。3つある共同湯は日替わりで男女入れ替え。
36度の源泉をそのままかけ流しで投入する「ぬる湯」に1時間くらい入って脱力するというのが栃尾又流。ちょっと寒くなったら、加温した湯船で温まり、また、入る。温冷交互浴でぽかぽかになってじんわりといい汗がにじんできます。
「うえの湯」は、かつて栃尾又温泉センターだった雰囲気を感じる広々した造り。
つるっとしたタイルの感触が清潔感があって海外の温泉施設を思わせます。深さがたっぷりの大浴槽の「ぬる湯」は、他の人と距離が保てて、手足を気兼ねなく伸ばせるのがうれしい。
「おくの湯」は、窓いっぱいに緑を感じる明るい雰囲気。
「したの湯」は、最も歴史が古くて、癒しのオーラが満ちています。源泉がある渓流近くの湯小屋まで、長い階段を下っていきます。
泉質は単純放射能温泉、pH7.9の弱アルカリ性。温泉の中と大気中のラドンが細胞の活性化させて新陳代謝をサポートするといわれるラジウム温泉です。無味無臭の透明な温泉なのですが、歴史ある湯治場の名湯の力は、じっくり入って過ごしてみるとひしひしとわかります。
とにかく、眠い。とてつもなく眠い。
というのは、毎回「そうだった」。と、思うのですが、とにかく、ものすごく眠くなります。なので、2泊3日だし、時間もたっぷりあるしと、本やパソコンを持参していくのですが、毎回「そうだった。眠すぎて何もできないのだった」と笑ってしまうのです。
最初の夜は、ものすごくだるくなります。深い海の底に沈んでいくように眠ります。それが2日目の夜になると、ふわっーっと体が軽くなって、宙に舞い上がるかのようにすーっと眠ります。帰る頃には、肌がつやピカ。手足すっきり。不思議な栃尾又温泉マジックです。
貸切温泉でひとり時間を愉しむ
「心休みの湯治」にうれしいことは、貸切温泉があること。コロナ禍を経験するまでは、どこの温泉にいっても大浴場が大好きで、部屋に温泉がついていても入らなかったりするほどでしたが、長引くニューノーマル時代で、人との距離、ひとりの時間が、心身の安定に、ちょっと必要だったりします。そんな時に、やっぱり、ひとり占めして誰のことも気にせず、のんびり深呼吸できる「貸切温泉」のありがたさをしみじみと感じます。
自在館の館内には、無料で予約して40分入ることができる「貸切温泉」が3つ。こちらは、共同湯とは別の自家源泉を39度~42度に加温してかけ流しにしています。
貸切露天風呂「うけづの湯」は、迫力ある湯の沢川の水音を聴きながら、対岸の山を眺めて入ります。野鳥の声が響き、ひんやりした風を感じて入る温泉は、心休みにぴったりです。
貸切風呂「たぬきの湯」は、広々とした内湯。わたしは、夜寝る前の時間に、ここに入るのが好き。熱い温泉に満たされた深めの湯船に首まですっぽり浸ると、体の芯までぽかぽかに温まって、ぐっすり眠れます。
心も体も幸せで心地よい一汁四菜
「心休みの湯治」の食事は、一汁四菜のプランにします。心もお腹も満たされて、でも、食べ過ぎて眠れないとかにはならず、ちょうど、心も体も幸せで心地よいバランスが取れる感じなのです。
実は、そんなにお酒は強くないのですが、心の保養に地酒「緑川」をお供にします。お猪口一杯ほどしか飲めないので、小さい瓶の地酒を注文して2日がかりで味わいます。これが、すごく幸せなのです。
献立は毎日変わるので、今日は何かな?と、楽しみです。この日は、うるいのお浸し、からしなます(切干しや野菜の歯ごたえと辛味のきいた味わいがたまりません)、エビしんじょう、春キャベツの肉巻き(肉の中に焼きキャベツ)、けんちん汁、ごはん、お漬物。デザートはごま牛乳ゼリーと苺。
2日目の夕食は、青菜の白和え、春キャベツのコールスローふきのとうソースがけ、ほかほかのイカ大根、鮭のじゃがいも衣焼き(じゃがいもの下にちょっとだけカレーソースが隠れています)、内臓が温まる切干粕汁、ごはん、お漬物、デザートはコーヒーゼリーとキウイ。
何もしない一日に重要なお昼ごはん問題は?
そうそう。もうひとつ。連泊する湯治だと、お昼ごはんどうする問題が気になりませんか?
せっかくの「何もしない宝物のような一日」を、どこにも出かけたくないと思っても大丈夫。宿の食堂が12時30分~13時30分の1時間、お昼ごはん営業をしてくれます。
夕食や朝食が野菜たっぷりだから、ラーメンや焼きそば食べちゃおうかな、なんていう時もあるのですが、今回は、ヘタレ度がMaxだったので、こんなお昼ごはん。
おにぎりセット650円は、おにぎり3個なのですが、小さめおにぎり2個に縮小してお願いしました。
元気をチャージする朝ごはん
最後に朝ごはんの様子をちらっと。
朝食は白ごはんとお粥が選べます。「心休みの湯治」では、内臓を温める朝のお粥がうれしい。卵をのせて元気をチャージ。宿の名物「ラジウム納豆」は大粒の大豆で食べ応えがあります。
2連泊をして、心身を整える「心休みの湯治」。ワーケーションもしやすいWi-Fiやデスクが整った宿も増えているので、2泊の温泉旅をぜひ、試してみてください。甦り方が変わるはず。です。