これを知れば温泉の魅力倍増!
温泉ソムリエ協会家元の遠間和広です。温泉を愛するみなさんに、さらに温泉が楽しくなるようなお話をしていきたいと思います。今回は温泉の基礎知識から。体の負担を軽くしながら気持ちよく入れる入浴法をお伝えします。
温泉の浮力効果って素晴らしい
入浴の物理的効果といえば、「温熱効果」「(静)水圧効果」「浮力効果」です。
「温熱効果」は血液を全身にめぐらす効果なので、栄養を運んだり老廃物を排泄しやすくするので、非常に大切な効果です。
「水圧効果」は下半身に鬱積した血液やリンパ液を押し上げるので、これまた血行促進効果があったり、デトックス効果があったりします。また下半身の「むくみ」改善にもなります。
そして!侮れないのが「浮力効果」です。
一般的には、「肩までお風呂につかると、体重が9分の1から10分の1に感じられるようになるので、筋肉が緩んでリラックスできる。」と説明されます。
重力というのはとてつもなく体に負担をかけており、宇宙飛行士が宇宙に数か月滞在すると、地球に帰って来た時に立てないくらいに筋肉が衰えます。筋肉が衰えると骨が弱くなるので、最近は宇宙でも筋トレをします。そう考えると地球上での重力による負担は大変大きく、腰痛や肩こりの原因も重力と言えます。
重力から解放されようと思ったら、ごく一部のお金持ちでないと体験できない宇宙旅行をしないといけないのですが、温泉に出かけて広い湯船に浸れば、宇宙のような浮力を体感できるのです。
温泉に行けないときは、自宅でもしっかり湯船につかって体を浮かせ、体が限りなく無重力に感じる感覚を味わってみましょう。銭湯の大きな湯船なら数百円で体を伸ばして自宅以上の解放感も味わえます。家でもシャワーで済ませずに、湯船に浸かる入浴で重力から体を解放してあげましょう。
浮遊浴をしてみましょう
寝浴が専用の浴槽がないとできないのに対し、「浮遊浴」は体が伸ばせる程度の大きさの浴槽があればできます。
とは言え、一般家庭のお風呂では体は伸ばせませんので、温泉地や温浴施設でおこなうのに適しています。
まず浴槽の端を枕のようにして頭をのせます。
そして、膝を曲げ、足の裏が浴槽の底につくような体勢をとります。
体が頭と膝下を支えとする橋になるような格好になります。
お湯の中は浮力により体の重さが10分の1くらいになりますので、体が自然と浮いてきます。
無理に体を浮かせる必要はなく、息を吐けば自然に沈み、息を吸えば浮くというように呼吸に合わせて身をまかせればよいのです。
この浮遊浴は寝浴同様に水圧による体の負担が少ない状態で肩までお湯につかれるので、全身浴より負担が少なく半身浴より気持ちいいのです。
濃度の高い温泉ならば体が浮きやすいですし、広い浴槽の方がやりやすいと考えると、温泉地での入浴に適した方法と言えます。
湯上がりの牛乳ってどうなの?
温泉や銭湯で風呂上りと言えば牛乳!
温泉入浴前後の水分補給として、「ミネラルウォーター」「ミネラル麦茶」「緑茶」などをおすすめしていますが、牛乳ってどうなのかと聞かれたら、答えはOK!
牛乳は水に比べて疲労回復効果が高いので、「風呂上がりの牛乳」は理にかなっているのです。