温泉で実践!免疫力を育てる入浴法 – 温泉会議
認定者2万人超!「温泉ソムリエ」を束ねる温泉ソムリエ協会家元直伝の温泉コラム。知れば知るほど、もっと、温泉が楽しくなります。

温泉で実践!免疫力を育てる入浴法

温泉ソムリエ協会家元

深部体温を1度上げる入浴を!

体温と免疫力には密接な関係があります。

風邪をひくと熱が出ますが、これは免疫力を発動させるためです。
逆に体温が1度下がると、免疫力は30%下がると言われています。

人間は毎日、数百から数千の癌細胞ができますが、その都度免疫力で抑え込んでいるのです。この免疫力が弱まると、癌の発病を許してしまうことになりかねません。ですから、体温が下がって免疫力が落ちるというのは怖いことですね。

免疫力を上げるには、じっくりお風呂につかって、体の奥の体温「深部体温」を1度上げるようにしましょう。

その際には一気に長湯するのでなく、2回ほど浴槽から出て熱と水圧から体を解放してあげる「分割浴」をします。

分割浴の入浴時間の目安

当然お風呂の温度で入浴時間が変わるのですが、下記が分割浴の入浴時間の目安です。

42度(熱め):3分入浴→休憩→3分入浴→休憩→3分入浴

40度(ぬるめ):5分入浴→休憩→8分入浴→休憩→3分入浴

「休憩」は3~5分くらいが目安ですが、時間にとらわれず、心臓の“バクバク”が落ち着いたらと考えるといいでしょう。

入浴とは身も心もリラックスするためのものですから、
厳格に時間を守る必要はありません。
外気温、体質・体型など色々な要素が影響するので、むしろ、「自分の体に聞く」ことが大切です。

深部体温が1度上がると、脳波がアルファ波になります

一方、深部体温が2度上がると血液の中の血小板がくっつきやすくなり、血栓を起こす可能性があります。その危険が近づくと不快感が出ます。

つまり、不快感が出る前の脳波がアルファ波になった心地よいと感じるタイミングでお風呂から上がると、深部体温が1度くらい上がった状態になっていると考えましょう。

そして、体にはセンサーがあります。それは「額の汗」です。
額が汗ばむ程度だと体温が上がりつつも安全な状態ですが、玉のような汗が流れ続けるのは深部体温が上がりすぎている可能性があります。

「額の汗ばみ」を感じたら、お風呂から上がる目安にしましょう。

汗をかいても「毒出し(デトックス)」にならない?!

汗をかくと「毒出し(デトックス)」になると思われがちですが、
汗では老廃物は0.02%しか排泄されないので、無理に汗をかく必要はありません。

サウナも同じで、汗はデトックスになりません。
ただ、現代人は汗腺が衰えがちで、汗からミネラルが逃げやすい「悪い汗」をかいてしまうことが多いです。
ですから、汗腺を鍛えるために汗をかくことは意味があります。

ただし、サウナでの発汗も入浴同様にデトックスにはならないことは知っておきましょう。

入浴すると「心房性ナトリウム利尿ペプチド」というホルモンが分泌されて尿意を及ぼしますが、汗よりはるかに尿の方がデトックス効果がありますので、「汗より尿で毒出し」を意識しましょう。

入浴前と後の水分補給も忘れずに
遠間和広
温泉ソムリエ協会家元
平成14年に赤倉温泉にて温泉ソムリエの制度を発足し、現在の温泉ソムリエ認定者数は2万名を超える。温泉ソムリエ「家元」として、講演やメディア等を通して、温泉の魅力や正しい入浴法を広めている。妙高高原町(現妙高市)赤倉温泉生まれ、実家の「遠間旅館」を営む。赤倉温泉観光協会副会長、初代にいがた観光カリスマ。【温泉ソムリエ協会】http://onsen-s.com
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