定番の希少性が上がる??かもしれない時代 – 温泉会議
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『現代湯治』を複数のメンバーが語り合うように記事を執筆します。温泉でストレスを放電、心をふわりと軽く。ひとりでもふらりと行ける温泉宿の毎日をのぞいてみませんか。

定番の希少性が上がる??かもしれない時代

若旦那
いわゆる「定番」っぽい自在館の朝食

私たちが生きる現代社会は、日々進化しています。新しい技術やアイデアが次々と生まれ、私たちの生活に大きな変化をもたらしています。

イノベーションやら、デジタルトランスフォーメーションやら、SDG’sやら、サステナビリティやら、なにやら新しい言葉が溢れ続ける今日この頃。

しかし、一方で、長年にわたって愛され続けてきた「定番」も、新しいものが生まれるからこそ、希少性と独自性が高まる様にも思います。

例えば、食べ物に関して言えば、新しい食材や料理法がどんどん登場する一方で、定番の料理も多くの人に愛され続けています。カレーライスやオムライス、寿司や天ぷらなど、古くからある日本の定番料理は、今でも多くの人々に支持されています。

個人的には、学校の給食や学食、大きなスキー場などで出ているいわゆる、「業務用っぽい味噌ラーメン」を愛してやみません。ああ、この奇をてらわない、業務用の味がたまらん!と。もちろん、焙りうんちゃらかんちゃら〇〇ラーメンや、数十時間煮込んだり、謎の秘伝のタレだったり、こだわり系のものが美味しいのはもちろんのこと。一方で、誰もが一度は食べるであろう、あの業務用スープがたまりません。

ファッションに関しても、最新のトレンドに注目する一方で、古典的なアイテムが、ファッションアイテムとして再評価されることは多々あるかと思います。例えば、シンプルで無駄のないデザインのTシャツやジーンズは、今でも多くの人々に愛されています。最近は逆にシンプルなデザインの方が流行のようですが。

このように、新しいものが生まれるからこそ、古い定番系のものが再評価されたり、気づかなかった魅力を発見することは、さまざまな分野で見られるのではないかと思います。そして、その背景には、熟成された味わいや、確立された信頼があるということがあるのでしょう。しかし、なんなんでしょうね、このちょっと古いものや、定番に抱いてしまう、謎の安心感は。笑

また、新しいものと既存のものが共存することで、より良いものが生まれることもあります。例えば、スマートフォンなどのデジタルデバイスが猛烈な勢いで普及し、もはや紙での情報伝達は不要とまで言われる勢いですが、だからこそ、紙でしか果たせない、味わいや、質感、人間が持っている、なんとな~く、なものに対する価値を再考する機会が訪れています。(気がします)

このように、新しいものが生まれることで、今までの定番もまた、新たな価値を発揮することがあります。私たちは、新しいものと既存のものをバランス良く取り入れることで、より豊かな生活を送ることができるのではないでしょうか。

と、いうことで、何が言いたいのかというと、世の中の情勢を知ることももちろん大切。新しいことにチャレンジすることも大切。でもそのなかで、敢えて、意図的に、残すものを考えることも、併せて大切かなということ。

個人的には、古き良き湯治場、以外にもいろんな、新しい湯治スタイルが溢れてくれると楽しいなあ、と思っています。

古いも新しいも、奇抜も定番も、いろんなものが共存して、楽しい温泉文化であって欲しいです。

星宗兵
若旦那
400年続く湯治宿(新潟県・栃尾又温泉 自在館)の若旦那、趣味は野球・スキー、ゴリゴリの体育会系、暇があれば山遊び。温泉が湧き続ける限りこの里山を守りたい。
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