記念日の宿、那須にて – 温泉会議
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北の湯から南の湯から。日本全国の温泉を繋ぐ「湯戸端会議室」。温泉に浸って地元のレアな話が聞きたくなったら、この場所へお立ち寄りください。

記念日の宿、那須にて

温泉と旅のライター

記念日に泊まりたい宿。皆さまはどんな宿を思い浮かべるでしょうか。ちょっと上質で、プライベート感が重視されていて、できれば10室前後の小さな宿であるといいなと私は思います。

金婚式を迎える両親へのお祝いに、そんな私が県内で選んだのが、新那須温泉の「山水閣」でした。

御用邸近くの緑と静寂が包む宿

那須高原の裏路地。すぐそばには那須御用邸の豊かな森が広がる閑静な場所に「山水閣」はあります。訪れたのは11月上旬。10月に那須岳から始まる紅葉が下りてきて、宿の周辺を華やかに彩っていました。

宿は昭和初期の開業時からの木造建築の良さを大切にしながら、時代に沿って改装が加えられています。13室の客室もしつらえや造りがまったく異なっています。

客室「錦木」の入り口

私たち家族が選んだのは「錦木」という客室。お風呂の付いていないお部屋ですが、13室の中でもかなり広い。

錦木の和室

格子戸を開け、玄関と洗面スペースを抜けた先にある最初の和室。日中は家族で居間のようにくつろぎ、夜は私たち子世代の布団をこちらに敷いてもらいました。

錦木の奥の和室は寝室として

奥のもうひとつの和室には最初から布団が敷かれています。広縁に置かれた椅子からは中庭の紅葉が。

もともと2部屋だったところをつなげて1部屋にしたそう。トイレと洗面も2つずつあり、二世代、三世代の旅行にぴったりですね。

御用邸と同じ泉質の温泉

女湯

山水閣のある新那須温泉は、那須岳中腹の大丸温泉のあたりから湧き出る源泉を5キロほど引き湯して利用しています。泉質は体に優しい無色透明の単純温泉。すぐそばには那須御用邸に引かれている源泉があり、泉質はほとんど変わらないとのこと。

男女別の大浴場はほのかな灯りがともり、湯の流れる音が静かに響きます。

男湯

朝には男女のお風呂が入れ替えになりました。最初に男湯だった浴場のほうは湯船が2つあり、少し広く感じます。

お風呂付きの客室が5室あるほか、有料の貸し切り風呂もありますので、大浴場ではほかの宿泊客と重なることがほとんどありませんでした。

サロン

大浴場のそばには、さまざまな名作椅子が置かれたサロンが。コーヒーのほか、自家製ゆず酒のサービスがあり、湯上がりの喉を爽やかに潤してくれました。

完全個室でいただく食事に両親も満足

お食事処 森の庵の個室

夕朝食は個室の食事処で。特に要望をしたわけではありませんが、両親の年齢を考えてか、椅子席で用意してくれたのも助かりました。

「山里懐石」と銘打つ夕食。生産者が少なく、ほとんど市場に出回らないという那須黒毛和牛など、土地のものと旬のものが盛り込まれています。

前菜は9品ほどの盛り合わせ。先付はたぐり湯葉、そして旬の鮮魚の盛り合わせ
那須黒毛和牛の味噌煮込み。和風のビーフシチューのような味わいで、印象に残った一品
那須黒毛和牛と那須三元豚の豆乳しゃぶしゃぶ

最後に内緒でお願いしていたホールケーキが登場。すごく美味しいケーキで、料理の後でも軽く食べられました。

山水閣のコンセプトが「普通の最高の宿」。そんな言葉がぴったりな、とてもいい時間が過ごせました。

那須高原の宿 山水閣

栃木県那須郡那須町湯本206

https://sansuikaku.com/
野水 綾乃
温泉と旅のライター
栃木県を拠点に活動する温泉と旅のライター。古くからの湯治場や歴史を感じさせる温泉宿が好き。ひとりで泊まれる格安宿の魅力を発信。二ツ星温泉ソムリエ、温泉入浴指導員、塩原温泉まちめぐり案内人。
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