温泉法は、法律の世界ではちょっと偉い。 – 温泉会議
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温泉×○○、温泉地の多様性、ローカルな取組こそが最先端・・・。環境省自然環境局・温泉保護係長の経歴をもつ『Mr.K』が、日々心に灯す温泉へのわきあがる思い。

温泉法は、法律の世界ではちょっと偉い。

こんにちは。

突然ですが、温泉法って知っていますか?

このメディアを見られている方はご存知な方も多いはずですが、おさらいも兼ねましてご紹介したいと思います。

温泉とは、温泉法第2条第1項に記載されており、「地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温度又は物質を有するもの」とされています。

具体的には「ゆう出口(これを湧出と書いてないのもミソですね)において、25度以上又は一定の成分があること」となっています。ちなみに炭化水素を主成分とする天然ガスとは、いわゆるメタンガスです。

温泉法は戦後間もなくに生まれた法律で、法律の世界では三文字法と呼ばれる、ちょっと偉いものになります。個人的には、このシンプルな名前が気に入っています。

現在この法律が制定されたら、きっと「温泉資源の保護、可燃性天然ガスに伴う災害防止及び温泉の利用に関する法律」みたいな感じでしょうか。

別府市の市民憲章は?

温泉法が制定された背景は以下が端的ですが、外貨獲得といった「温泉は観光として日本の誇り」ということも理由に入っていたのは興味深いところです。

第2回国会における厚生大臣(当時)による提案理由説明です。

「我が国は、世界に冠たる温泉国でありまして、古来温泉は国民の保養又は療養に広く利用されて参ったのでありますが、温泉地の発達に伴い、或いは濫掘の結果、水位が下がって、ゆう出量が減退または枯渇するとか、或いは温泉に関する権利関係が複雑を極め、各種の紛争を起こす等いろいろの問題が出て参ったのであります。これらの問題を処理致しますため、従来都道府県令をもって温泉に対する取締りを行って参ったのでありますが、新憲法の施行により昨年末、これらの府県令はその効力を失ったのであります。しかしながら、温泉は我が国の天然の資源として極めて重要なものでありまして、これを保護するとともに、その利用の適性を図り、一面、国民の保健と療養に資すると同時に、他面その国際的利用による外貨の獲得に役立てますことは国家再建上、喫緊の要務と存じますので、この際、従来の都道府県令の内容とするところを基礎としてこれを若干、拡大致しまして温泉の保護とその利用の適正化に遺憾なきを期するためこの法律案を提出した次第であります。」

写真は市民憲章に「温泉を大切にしましょう」と記載されている別府市です。温泉を大切に、そして温泉地をもっと楽しみましょう。

今後も温泉について、旅とは違う切り口でお伝え出来たら幸いです。

楠本浩史
兵庫県神戸市有馬温泉近くの出身。平成18年環境省入省。平成25年より通算6年間、環境省自然環境局において温泉保護係長ほかとして温泉行政に従事。 温泉法の解釈のみならず、「温泉×〇〇」の掛け算によって創られる「温泉地の多様性」「ローカルな取組こそが最先端」をモットーに「新・湯治」といった考え方を提案。現在は、環境省の20%ルールを活用して全国の温泉地の活性化について妄想中。
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