奥鬼怒の大自然を走るサイクリングイベントに参加し、秘湯のにごり湯へ – 温泉会議
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奥鬼怒の大自然を走るサイクリングイベントに参加し、秘湯のにごり湯へ

温泉と旅のライター

栃木県の北西部、鬼怒川の源流部に位置する奥鬼怒温泉郷は、関東最後の秘境と呼ばれる大自然あふれるエリアだ。その玄関口・女夫渕駐車場から鬼怒川の渓谷に沿って下り、川俣ダムまでの往復20㎞をのんびり走る夏の3日間限定のサイクリングイベント「四季満祭 川俣ゆうゆうサイクリング」に参加してきた。「ゆうゆう」とは行かない難所も少しあったけど、電動アシスト付きの自転車で秘境の自然の中を疾走する爽快感はたまらないぞ。

標高1000m以上、涼しい奥鬼怒をガイドと一緒にサイクリング

奥鬼怒温泉郷には、加仁湯、八丁の湯、日光澤温泉、手白澤温泉という4つの一軒宿がそれぞれぽつんと秘境の中にたたずんでいる。自然保護の観点から一般車両の乗り入れは不可で、宿へ行くためには女夫渕駐車場から宿の送迎か徒歩で行かなければならない。

奥鬼怒温泉郷の起点となっている女夫渕駐車場が今回のサイクリングイベントの集合場所だ。このあたりで標高1120m。私の住む県南とは気温が10℃近く違い、かなり涼しい。

レンタルできる電動アシスト付き自転車は、マウンテンバイク型(eMTB)と、いわゆるママチャリ型の2種があった。初心者にはママチャリ型が乗りやすそうだが、私が借りたマウンテンバイク型も操作は簡単。ヘルエットの貸し出しもあり、一通り乗り方を教えてもらったらいよいよ出発だ。

スタートしてからは下りが中心。鬼怒川の渓谷に沿って縫うように伸びる道を、風を切って進む感じがたまりません。車ではすれ違うのもやっとの道も自転車ならスーイスイ。

しばらく進むと、川俣湖にかかる川俣大橋を渡る。上流も下流も一望できる大パノラマが広がる。

湖畔の横道を入ったところにある「二本松広場」に到着。以前はキャンプもできた川俣湖畔の広場で、トイレや手洗い場があり、ここで景色を眺めながらお昼をとることに。

今回のイベントは奥鬼怒温泉郷の加仁湯または八丁の湯に申し込むのだが、予約した宿でおにぎり弁当を用意してくれる。きゃらぶきなど日替わりのおかずも嬉しい。

このあと、自転車1台がやっと通れるような、車が入れない細い湖畔の道をさらに奥へと進む。途中の愛宕山の急坂では電動アシストのおかげでみなさん難なく登っていたが、私は少しきつくて歩いてしまった。でもきつかったのはここ1か所だけで、あとは楽勝。

県道23号から旧道に入り、瀬戸合峡方面へ。

休業中の茶屋がある見晴らし台から眺める瀬戸合峡。凝灰岩が浸食されることによって生まれた峡谷が迫力満点で、左手にはダムのアーチ部分、右手には渡らっしゃい吊橋が見える。雨に降られた時間帯もあったが、青空が見えたタイミングで気分爽快。

県道23号を戻って奥鬼怒温泉郷の手前の川俣温泉へ。鬼怒川に架かる噴泉橋から眼下の渓谷を眺めると、わずかに湯気を上げるところが。これが川俣間欠泉。かつては橋まで届くほど吹き上がっていたそうだが、地震などの影響で今は勢いがないという。またかつての勢いが戻ることを期待したい。

行きが下り中心だった分、帰りは上りが多くなるが、それでも少し踏ん張って平らなところが来ての繰り返しで、アシストもあるし、そこまで大変ではなかった。上り切った女夫渕駐車場でゴール。全体的に涼しく、心地よい風を全身で感じられた。参加者のみなさんと一体感も生まれて楽しかった。

運動後は奥鬼怒温泉郷の絶景野天風呂にドボン!

イベント終了後、私はそのまま奥鬼怒温泉郷の加仁湯にチェックイン。体をやさしく包み込むような青白いにごり湯にすぐさまとけた。加仁湯の詳細は次回別記事で。

四季満祭 川俣ゆうゆうサイクリング

開催日程/7月第3・4土曜日、8月最終土曜日。2024年は第3回を8月31日に開催(雨天中止)。

集合・解散場所/女夫渕無料駐車場11:30~12:00集合、解散16:00~16:30

参加費/ひとり3500円(おにぎり弁当、飲み物、レンタル代込み)。運動しやすい服装、運動靴、タオル、各自飲み物は持参。

申し込み・問い合わせ/加仁湯TEL0288‐96ー0311、八丁の湯TEL0288‐96‐0306 ※受付時間は平日9:00~17:00

野水 綾乃
温泉と旅のライター
栃木県を拠点に活動する温泉と旅のライター。古くからの湯治場や歴史を感じさせる温泉宿が好き。ひとりで泊まれる格安宿の魅力を発信。二ツ星温泉ソムリエ、温泉入浴指導員、塩原温泉まちめぐり案内人。
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