【小安峡温泉/旅館多郎兵衛】の大浴場に大興奮して大好きになったお話
過去の秋田旅行の思い出を振り返ると、お腹がすいてきます。
比内地鶏スープのモチモチきりたんぽ鍋、いぶりがっことクリームチーズの組み合わせ、満腹でも食べられてしまうツルツル稲庭うどん、どこで手に入れたのか思い出せない雲平というお菓子(これは青森かもしれない)...食べ物の思い出が濃すぎるのです。
食欲が引き起こす行動力は大きく、食と湯を求め、小安峡温泉の旅館多郎兵衛に泊まりに行きました。
① 立派な秋田杉を見上げる大浴場
清掃が行き届いた脱衣所を抜け引き戸を開けると、思わず色んな声が出てしまう大浴場がありました。
まず目に飛び込んだのは、ダイナミックな敷石の床と広々とした浴槽。そして上に目を向けて行くと、アーチ窓と立派な秋田杉の梁。まるで古都を歩いている気分です。
小安峡温泉の泉質は単純温泉。刺激は少なく誰でも馴染みやすい泉質ですから、雰囲気も相まって、年齢問わず多くの方が長風呂されている印象でした。
なお、源泉温度が高いですから、湯口に近付くとかなり熱めの湯が注がれていました。ですが、こちらは浴槽が広いこともあり、全体に行き渡る頃には適温になっているようでした。
この大浴場はきっと宿の名物のひとつでしょうし、自慢のお風呂でしょう。魅了された私は、滞在中4回も入浴しました。
その他、江戸時代にタイムスリップしたような不思議な内風呂、限られたスペースに設けられた露天風呂、事前予約制のシンプルな貸切風呂がありました。
これら複数のお風呂それぞれに空間の特徴があり、温泉の楽しみ方が昇華されていました。
② 秋田の美味しいものが並ぶ夕食とご飯のお供が嬉しい朝食
夕食には秋田の定番「きりたんぽ」と「稲庭うどん」はもちろん、素朴で味わい深いお料理が並びました。
全11品、ボリューム満点ですから若い方でも満足度が高いでしょう。
もちろん私は完食し、明るく世話好きな仲居さんのお陰で、一人旅なのに一人ではない気がした、あっという間の1時間半でした。
そして朝食。
ご飯のお供が並ぶ「ちょこっとバイキング」では、初めて聞く名前の食材に興味津々。あれもこれも取っていたら、ご飯を何度もおかわりしてしまいました。
なお、この日はちょうどお彼岸とのことで、おはぎの提供もありました。「小さめサイズだし」と言い訳しながら、つい何個も食べてしまい、この日の昼食は不要になりました。
③ 名物 “女将さんの手作りクッキー”
旅館多郎兵衛は江戸時代から続く老舗宿とのこと。館内は昔ながらの旅館の雰囲気を残ししつつ、部分的に新しいものが加わり過ごしやすい空間でした。
そんな過ごしやすい宿を名残惜しくチェックアウトする前に、ぜひ買って帰りたいものがありました。それは “女将さんの手作りクッキー”。客室に用意されていた一枚をいただいて「これは絶対に買って帰らないと!」と思い、館内の売店で購入しました。
何枚でも食べられてしまうホロホロとこぼれ落ちるようなクッキーは、立派な化粧箱に入っていますから、お土産にも喜ばれるでしょう。二箱くらい買えばよかった!
④ おまけ
帰りは秋田新幹線ではなく、あえて時間を掛けて新庄駅から山形新幹線に乗って帰りました。その理由は、2024年3月16日にデビューしたばかりの、山形新幹線の新型車両 “E8系” に乗るためでした。
そしてたくさん満たされた私は、新しい香りのする新幹線の中で爆睡でした。
親戚の家に泊まりに来たような気取らない雰囲気は、「また癒やされに来よう」と思わせてくれる温かいものでした。
旅館多郎兵衛さん、お世話になりました。お腹も心も満腹になりました。 ファンファン
小安峡温泉 旅館 多郎兵衛 公式HP