ぷっくりモフモフな析出ひょうたん湯口【湯河原温泉 上野屋】
雪化粧のような白析出が美しい「ひょうたん」の湯口さん。石造りのためしっかり硬いですが、ぷっくりまん丸なたたずまいは、モフモフの小動物系で愛くるしいです。
創業は江戸時代。湯河原温泉の老舗旅館
湯河原温泉といえば、都内から1時間ほどで行けるので、日帰りでも宿泊でも気軽に利用できる温泉地。なおかつ深い歴史があり、レトロな温泉街散策も楽しいです。特に戦前は文豪に愛された温泉としても知られ、独特の落ち着いた文化も根付いてるように感じます。
今回ご紹介する「上野屋」は、そんな湯河原温泉でも屈指の伝統を誇る旅館です。なんと創業は300年以上前に江戸時代までさかのぼり、現在の建物は大正・昭和初期に建築され、「登録有形文化財」にも指定されている貴重な宿です。
フレッシュな自家源泉をかけ流し
お風呂は、貸切露天風呂「藤木」「千歳」の2か所と、男女別の内湯「桧風呂」「御影石風呂」の2か所で、計4つ。そのどれもが自家源泉のお湯で満たされています。
内湯は、湯口が2つ!81度の自家源泉をひょうたん湯口からかけ流し、もうひとつは「源泉冷し湯」の湯口で、源泉を熱交換して冷まして注ぐことで温泉がうすまらないようにして湯船の温度を調整しています。まさに温泉職人のこだわり。貸切露天は、湯はり時に加水こそしていますが、80度を超える源泉を基本的にはかけ流しています。それでいて湯温は熱めの適温に保たれていました。こちらの湯守さんの調節力に頭が上がりません。
泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。無色透明なお湯は、鮮度の良い源泉特有の生まれたての赤ちゃんのような甘い香りがただよいます。舐めてみると、泉質通りの薄塩ダシ味。キチキチでキュッキュと肌に吸い付くような肌触りが極上です。
モフモフなひょうたん湯口さんに萌え萌え
カルシウム分などミネラルたっぷりな源泉のため、どの湯口さんも純白の析出をまとっていて美しいですが、上野屋のトップ湯口はやはり内湯の「ひょうたん」湯口さんでしょう。
職人仕事のように丁寧に作られたであろう石製の「ひょうたん」。硬いはずではありますが、まん丸でぷっくりしたお姿は、なんだかモフモフ感があります。フワフワのウサギのような猫のような小動物的な可愛さにあふれ、萌え萌え。立派に育った純白の白析出物も美しいです。
こちらの湯口さんのいらっしゃる内湯は、2つ合わせて「六瓢の湯(むびょうのゆ)」と名付けられた縁起の良いお風呂なのです。そんな縁起物の「ひょうたん湯口」さんは、このお風呂のシンボル。専用の照明で湯口さんをライトアップする神様的扱いをされています。さすがです。すべての湯口さんがそうであってほしい。ありがとうございます。
温泉情報
【湯河原温泉 源泉 上野屋】
住所:神奈川県足柄下郡湯河原町宮上 616
電話:0465-62-2155
URL:https://www.uenoya-net.jp/
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)
源泉温度:81.3℃
pH:8.4
湧出量:108ℓ/分(?)
加水:なし(露天は湯はり時のみあり)
加温:なし
加温:なし
消毒:なし
利用状況:かけ流し
※訪問時の情報です(2017年3月)
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