おしとやかなツインテ―ル塩ビ管湯口【雲仙温泉 雲仙よか湯】

両サイドから慎ましく源泉を投入する湯口さん。
控えめにこびりついたホワイトイエローの析出物が愛くるしいです。
雲仙温泉の日帰り&素泊まりの宿
長崎県の雲仙温泉。標高700メートルの風光明媚なところに、歴史ある重厚な旅館やホテルが並ぶレトロな温泉街が素敵ですよね。豪快に源泉がモクモクしている雲仙地獄も見どころです。

そんな温泉街の外れにある「雲仙よか湯」は、カジュアルに雲仙温泉を楽しめる施設です。日帰り入浴のほか、キッチン付きのコンドミニアム併設で素泊まり利用もできます。

乳青緑色の硫黄泉がかけ流し
館内には内湯、露天風呂のある男女別大浴場に、貸切で利用できる家族湯が4か所あります。家族湯が充実しているところが九州の温泉施設らしいですね。
温泉街から少し離れた立地のため、周辺は緑深い環境。大きな窓の内湯は、木々の景色を気持ちいい明るい空間です。露天風呂もジャングルのように森に囲まれ、緑の香りが風とともに流れてきて、それだけでも癒されそうです。

泉質は、酸性・含硫黄-カルシウム-硫酸塩泉。薄ミルキーブルーグリーンの美しいお湯は、濃厚な硫黄とアブラをあぶって焦がし、金気を散りばめたような豪快かつ繊細な香りです。舐めてみると、焦げ硫黄アブラをお酢と鉄で割ったような独特の味わい。例えるなら、小学校の校庭にある錆びまくった蛇口から出る水道水のような感じでしょうか。なんだか不味そうな表現ですが、個人的には結構好きな味でした。
源泉は近くで自噴したものを一度タンクに貯めて湯船に投入。冬季は加温することもあるそうですが、基本は加水・循環・消毒無しの完全かけ流しとのことです。


ツインテールでおとなしめな可愛い湯口さん
そんな源泉を安定供給する「湯口」さんは、T字型の塩ビ管。その両サイドからは、ゆったりと慎ましく源泉が流れています。可愛らしいですね。
年季の入った湯口さんの表面には、控えめにまんべんなくホワイトイエローの析出がこびりつき、美しく愛くるしい。昭和のおしとやかで美人なお姉さんのような風情です。もう一度会いに行きたい。

素敵な内湯の湯口さんに目を奪われがちですが、露天風呂の湯口さんも素敵です。まん丸なつぼ型の大きな体をしていますが、小さい小さいおちょぼ口からチョロチョロ源泉を供給。しっかり赤い目が描かれ、可愛らしいフォルムです。抱きしめたいね。


温泉情報
【雲仙温泉 雲仙よか湯】
住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙380
電話:0957-73-2003
URL:https://unzen-yokayu.co.jp/
泉質:酸性・含硫黄-カルシウム-硫酸塩泉(低張性 酸性 高温泉)
源泉温度:52.4℃
pH:2.3
湧出量:86.8ℓ/分(自噴)
加水:なし
加温:あり(冬季など)
加温:なし
消毒:なし
利用状況:かけ流し
※訪問時の情報です(2019年5月)
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◆ユグチストのnote
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