素朴でレトロな浴室の中で、湯口さんだけ主張が激しい。
小さいですが、攻撃力高めなモコモコ析出がたまらないお姿です。

「えちごせきかわ温泉郷」のひとつ

新潟県関川村にある「えちごせきかわ温泉郷」。新潟駅から車を走らせ、１時間ほどでたどり着く温泉郷です。
関川村を流れる荒川沿いに湧く５つの温泉地で構成され、今回ご紹介する旅館のある高瀬温泉もそのひとつです。

お見せしたい湯口さんがいらっしゃる「高瀬温泉 古川館」

１０軒ほどの宿からなる高瀬温泉は、えちごせきかわ温泉郷の中で最大規模の温泉地です。その温泉街の一番外れに位置するのが「古川館」。老舗感ただよう年季の入った外観が頼もしいですね。

内湯のみお風呂は「源泉かけ流し」

古川館のお風呂は男女別の内湯のみ。そこには４人入ればいっぱいの正方形の湯船がひとつのみとシンプルな作りです。
浴槽内のタイル、壁はタイルと石張り、黒く変色した洗い場の蛇口などなど、随所にレトロを感じるノスタルジック空間。ここにいるだけでタイムスリップしたかのような気分でうっとりしてしまいます。

泉質は、ナトリウム－塩化物・硫酸塩泉。
７０℃を超える源泉を湯量調整のみで湯船に投入。加水・加温・循環・消毒なしの完全かけ流しで楽しむことができます（熱い場合はセルフで加水OKです）。
無色透明のお湯は、うっすらと煮つめたような濃い硫黄が香り、温泉らしい玉子臭がただよいます。舐めてみるとダシ塩の効いたゆで玉子味。ツルスベ感とキシキシ感の同居する湯ざわりは硫酸塩泉らしい感触です。

素朴な浴室で異彩を放つ「湯口」さん

そんな良泉を私たちに提供し続けてくれる「湯口」さん。
シンプルな水栓蛇口型の骨格に、これでもかというレベルの白析出物がモコモコと育っています。
白髪のアフロヘアみたいなダイナミックで、インパクト抜群。小ぶりな湯口さんではありますが、素朴な浴室の中で強烈な個性を発揮しています。

もっこり析出の下の方はトゲトゲしていて攻撃力が高そうです。
小さいワンちゃんほど気性が荒かったりしますので、こちらの小さめ湯口さんもきっと気が強いのでしょう。だからこそ、この旅館のトップ湯口の座を守り続けているのでしょうか。これからも頑張ってください。

温泉情報

【高瀬温泉 古川館】
住所：新潟県岩船郡関川村高瀬1580-3
電話：0254-64-1251
URL：http://www.furukawakan.com/

泉質：ナトリウム－塩化物・硫酸塩泉（低張性 弱アルカリ性 高温泉）
源泉温度：72.0℃
pH：7.5
湧出量：351ℓ/分（動力）
加水：なし（セルフ）
加温：なし
加温：なし
消毒：なし
利用状況：かけ流し

※訪問時の情報です（２０１７年４月）

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