@下風呂温泉 「風間浦村のひじき」 – 温泉会議
温泉地のおみやげ屋さんを見かけると自動的に吸い込まれてしまう体質のワタクシ。日本中の温泉地でお買い上げ、しかも気に入ってリピートしているものばかりを温度高めに語ります!

@下風呂温泉 「風間浦村のひじき」

温泉おみやげ二スト・雑誌編集者

温泉とおみやげへの愛が偏りすぎている件

さて、この連載、お気づきの方もいるかもしれませんが掲載されている地域にけっこう偏りがあります。

北海道と青森に集中してますね・・・やはりこの2エリアは温泉、おみやげの質が高くって、ついつい取り上げたくなっちゃって。

今回は毎年通っていると言ってもいい下風呂温泉です!

たぶん公共の交通機関を使って、自宅から行くと日本でいちばん時間かかるのでは?(離島を除く、でも沖縄よりも遠いと思う)と思うほど、ほぼ地の果てと言ってもいい下北半島北部。

新幹線で八戸駅→青い森鉄道で野辺地駅→大湊線で下北駅→下北交通バスで下風呂温泉へ。乗換案内で調べても6時間半少々。飛行機でもさほど変わりません。

なので下風呂温泉に行くときは、だいたい青森県内のどこかの温泉とセットにして2泊3日で出かけます。青森市内でレンタカーして向かうのが、比較的スケジュールの融通は利くかもしれません。

でも、電車でも、車でも下北半島を北上するのは海を眺めながらの景色が楽しくてテンション上がります! ひたすらまっすぐな道なのに本当に飽きない。日帰り温泉や美味しいものものも豊富で、全部立ち寄ってるといつまでもたどり着かない気がするのが難点です。

そこまでしてでも出かけたくなる下風呂温泉の吸引力はとにかく他ではない独特の濃厚なお湯にあります!

さらには、夏でも冬でもこれでもか!と出てくる海の幸三昧の食事も素晴らしすぎる!

おみやげ的にも、つい買い込んでしまうものがいろいろあるのですよ。

そんななかでも今回紹介するのは、下風呂に行くたびに買ってしまう、僕の大好物「ひじき」です!

下風呂名物としては「布海苔」が有名みたいですが、個人的にはひじきのほうが使い道が多くて、食卓への登場回数はダントツに多いです。

売ってるのは下風呂唯一の食料品店「かねもり商店」。コンビニとスーパーの中間くらいの規模感で下風呂や青森のおみやげも売っています。下風呂のライフラインかつ社交場とも言えるかも。ここでビールとつまみとせんべいとともに買うのが「ひじき」なのです。「温泉会議」主宰の石井宏子さんは冷凍で売ってるこちらのイカの塩辛もお気に入りだそう。

こちらで買うひじきは、磯の香りと歯ごたえがしっかりありながら、そこまで太くもなく長すぎないので、水で戻してから切ったりせずにすぐに調理できるのがうれしいところ。そして水で戻すときはひと袋まとめて。

一度開けると湿気が来て鮮度が落ちるそうです。全体をサッと熱湯にくぐらせたら、使い切れない分は冷凍しちゃってます。

ひじきって無限にアレンジできる常備食材の最高峰

まずはサラダにするのがいつものパターン。玉ねぎ、キュウリ、セロリを合わせてレモンがきいたドレッシングをかけると美味しいです。次に炒め煮に。ショウガの千切りをごま油で炒めて香りが出てきたら豚こまを。火が通ったらひじきをたっぷり加えて、めんつゆをドバドバ。水分がなくなるまで炒めたらできあがり。これはいろんな使い道があって本当に便利。ごはんに混ぜるのはもちろん、納豆にプラスしたり(実はこれがいちばん好き)、炒り卵に入れてもうまい!もちろんそのまま食べても間違いない。

ひじきの炒め煮は多めに作って冷蔵庫にストックしておきます。
これがあると安心感半端ない。
で、この日は帰りが遅くなったので、飲みながら晩ごはん。
ひじきの炒り卵は1~2分でできちゃうのがありがたい。
後ろは作り置きのサツマイモのコロッケ、コールスロー。
これだけあれば幸せです。

冷凍しといたやつはオリーブオイルで炒めて梅肉と和えてもまた新鮮な味わいに。

と言うことで我が家の常備食材でもあるひじきを、下風呂に行くたびに買い足すのがルーティンとなっているのです。

どこに泊まっても外れがないと言われる下風呂温泉。今回はホテルニュー下風呂へ♨

お泊まりはひとりの時は「まるほん旅館」、温泉仲間のみなさんと一緒のときは「ホテルニュー下風呂」へ。

今年の夏はホテルニュー下風呂に泊まりました。

そして夏の下風呂のお楽しみといえばウニ!イカ!

どちらもちょうど旬を迎えていたのです。

特にイカは今年は不漁だったらしく、僕らが伺ったちょうどその日がこの年はじめての水揚げだったそう。ツイてる!

ということで、ホテルニュー下風呂の夕食も竜宮城か!?ってほどの、潔いほどの海のものづくし!肉など皆無、野菜は漬物と鍋の具くらい。でも、これが求めてたものだからいいんです!

見よ!この海鮮づくしのテーブルを!
見返すたびにアドレナリンが大分泌!
ウニもでかいです!

貴重な浜湯系トロトロ白濁湯の魔力にメロメロ

下風呂温泉には大きく3系統の源泉があって、隣同士の宿でも利用している源泉が違ったりするのも魅力。ホテルニュー下風呂は、いわゆる浜湯系の浜辺地1号泉。白く濁った硫黄泉かつ食塩含有硫化水素泉です。湯触りはミルキーでとろっとしていて濃厚!同じ下風呂の大湯や新湯系と違って、酸性が強すぎない(ph5.8。他はph2くらい)し、何より温度が熱くない! これならずっと入ってられる! と言いつつ長湯してると、成分は超濃厚なので、湯あたりしちゃう!いや、このお湯ならむしろ湯あたりしてしまいたい♡

とろ~りミルキィなホテルニュー下風呂の内湯。
入浴剤では絶対出せない。
自分が見た中でも、日本でいちばんとろみがあると断言できます!
ほら、ほんのりオーバーフローしてるでしょ。

さらにうれしいのは湯舟からお湯がすこ~しだけオーバーフローしてること! なので、浸かりすぎたな、と思ったら湯端に寝転んでダラダラ。さらには窓を半開にして外の空気を入れればさらに快適。冬でも寒くないです。そこまで広い湯舟ではないのですが、もうほぼ永遠に時間を過ごせそう。

ここで一晩過ごしてもいいくらい。

伝説の公共の湯が合体してリニューアル、新たな大好きスポットに

で、チェックアウト後は温泉街の中の「海峡の湯」で、ホテルニュー下風呂とは違う源泉の大湯系と新湯系の泉質を堪能します。

そして、あさの食堂でまたしてもウニとイカをいただいたり。

こちらが、あさの食堂の黄金メニュー、「うに・まぐろ丼」と「活いか刺身」。ラーメンやフライの定食もあったりして、地元の人の利用も多い「下風呂の胃袋」的存在。

実は、あまりの美味しさに2日連続で食べてしまったメンバーもいた「うに・まぐろ丼」
「活いか刺身」は、漁獲があった時のみ。注文を受けたら漁港の「イカ備蓄センター」にバケツをもって走って活イカをとってきて、おかあさんが瞬時にさばいてテーブルに運ばれます。

コンパクトな温泉街ながらもお楽しみ要素が満載(海峡の湯の食堂にも入ってみたい)で、やっぱりはるばる来てよかった、そしてまた訪れたいと思ってしまう下風呂温泉。

そんな下風呂温泉の楽しかった思い出を連れて帰るには、コンパクトだし、リーズナブルだし、日持ちもほぼ永遠な「ひじき」、我ながらなかなかいいチョイスだと思います。

Data

ホテルニュー下風呂

青森県下北郡風間浦村下風呂67-2

http://www.simofuro.co.jp/

かねもり商店

青森県下北郡風間浦村下風呂64-1

https://shimokita-tabi.jp/spot/kanemori

井上智明
温泉おみやげ二スト・雑誌編集者
1970年、おんせん県生まれ。出版社に雑誌編集者として勤務しつつ、日本全国の温泉めぐりをライフワークとする。好物は「硫黄の香り」「ぬるめでのんびり」「寝転がれる」。近年ランニングに目覚め、全国のマラソン大会に温泉とセットで出かける「旅ラン」も増える。ほぼひとり旅。旅先で駅の売店、道の駅、おみやげ店を見つけると自動的に吸い込まれる性質あり。
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